part22 >>650


 圧倒的な勝利を土壇場でひっくり返され、辛うじて勝敗は次回に持ち越すことが出来た。
だが、そのシナリオはもはや想定外。ああ腹が立つ。憎たらしい。
こんな気持ちは、誰のせい?

 ま、そんなの決まってるんだけれど。

「立ちなさい。片足でね」
 無表情が売りの魔女が、同じ髪を持つ少女に命令する。

「え、主……?今、何と」
「前にあんたがやってたでしょ?片足で立つヤツ。早く」
 感情の薄い顔が、僅かに歪む。本当にささやかな変化だが、対照的に彼女の機嫌は極端だ。
0か100しかない。今浮かべている笑みが、一瞬で羅刹と化するのをヱリカは知っている。
だから、逆らってはいけない。口答えなんてもっての他。
「は……っはい!」
 片足を上げ、上目使いに主人の方を伺った。
「あら、震えちゃって。心配しなくていいのよ、私何もしないから。ね、嬉しいでしょ?」
「は、はい。我が主の寛大さに、ヱリカは感動しましたっ」
 早口で媚びる下僕の姿を、魔女ベルンカステルは汚いものを見るような濁った瞳で見つめていた。
発言の意図を理解できないのは、プルプルピコプヨな脳味噌しか持ってないのだから仕方がない。

「じゃ。私、ラムダとお茶してくるから。そうね、次のエピソードが始まる頃には迎えに来てあげるわ」
「え、えっ?あの、なら私も……」
 その言葉は遮られた。ばん、と何か硬いもので殴られたからだった。
ヱリカの華奢な身体は、その衝撃に耐え切れず崩れ落ちる。
 だが、それを主は許さない。
彼女の髪を引っ張って強引に立たせる。乱暴な扱いにぶちぶちと細い髪が抜け落ち、床に散った。

「うぐっ、い、痛い……ッ」
「雨蛙みたいに間抜けな声出してンじゃないわよ、うっとおしい」
 相変わらずガラスのような眼差しに、ヱリカはただ怯え、許しを請うことしかできない。
「も、申し訳……ぅくうっ……」
「ぐちゃぐちゃ言ってないで早く立ちなさい。それとも、あんた私を待たせて当然とでも思ってるの?」
「ちが……う、うううぅっ……」
 涙が零れたが、そんなものを気にするヤツは魔女なんかじゃない。

「ほらァ。突っ立ってるだけの、子どもでもできるようなかァんたんなことなんでしょうゥウ?
くすくすっ、くすくすくす!」
「う、は、はいっ……」
 ベルンカステラに突き飛ばされ、ヱリカは再び片足立ちのポーズをとった。
「じゃあ。ずっと立っておくのよ……?1mmも動いちゃ駄目。いいわね」
 『ずっと』がいつからいつまでを指すのか、ヱリカには分からない。
だが、何分何時間の話ではないことくらいは理解できた。
故に焦り、悪手を講じて地獄行き。浅はかな娘だ。

「あ、あの」
「何か言った?」
「あ、足が、痛くて」
 先程の暴行で、足のあちこちが青黒く変色していた。
「そう。ああ、ならベアトの家具を借りてくるわ。支柱代わりにその汚い尻にでも挿しときゃいいでしょ」
「んなっ」
 ベアトリーチェに仕える巨漢の黒山羊達。
あんなケダモノに、この身を抉られるというのか。恐怖で身体が震えた。
「ああ。だぁいじょーぶよー……ヱリカァア?挿すって言っても角なんか挿さないわよ?っくくく」
「えぅ……あ、あるじぃっ……」
「まぁ?ニンゲンに比べりゃ太くて硬いから辛いかもねぇ……くすくすくす!」
 しゅるしゅると、魔女の猫を模した尻尾がヱリカの身体を這い回る。
まるで、蛇のように。

「わ、我が主……っ?ひゃ、やめてくださぃい……っ」
「五月蝿いわね。私が何しようと勝手でしょ」
 ふさふさした尻尾は縦横無尽にヱリカの身体を弄る。
「っく、あ……ぁぁあっ、ん、うぁあん……っ」
 未熟な身体を嬲られ、ヱリカは興奮を隠せない。
「ん……やだ、あんた何、感じてるの?」
「ち、ちが……ひ、あぁ……主ぃ……っ、尻尾がぁ、んあぁぅっ」
「くす。家具の逸物ブチ込まれるよりこっちのがいいの?」
 スカートを弄り、何も生えていない小便臭い股間を突く。
「っふぁあん!あ、わが、ある……ぁあ、すご、いいっ……」
「みっともない顔。ねぇ……?あんた、分かってる?自分のこと」

 刺激を緩めず、ベルンカステルは少女を詰る。
「夏妃を淫乱だと断じたあんたが、こんなだらしない姿を晒して。
ふふ、右代宮のニンゲン共をここに召喚したら面白いことになりそうねぇ」
「やめ……あぅう、やぁ……ひきゅっぅううっ」
 拒絶を示すように首を振るヱリカ。だが、そんなの関係ない。
「気持ちいい?処女のくせに豪く敏感だこと。どれだけ独りで弄ってたのかしらね」
「ぁ……わ、わた、私、何にも……ひぁ、ふあうっ、ゃぁああッ」
「ほら。素直に言えたらキスしてあげるわ……ね?」
 囁きながら、ベルンカステルは優しく彼女の頬を撫で、唇をなぞった。
そしてその指を、自分の唇に乗せて、蕩けるような微笑を浮かべて見せる。
「わ、我が主……っ、は、はいっ!はいぃぃッ!」 
 主の微笑みに魅了された少女は、簡単にその薄汚い欲望を露にする。
「ヱリカ、ヱリカは、ぁ、主の尻尾でぐちゃぐちゃに、うにゃ、お、犯して欲しいですぅううぅぁぁぁあッ!!」
 敏感な部分を弄ばれ、思いの丈をぶちまけた少女はその意識も飛ばし、くたりと主のぱ

……胸にもたれかかった。その顎を、持ち上げて引き寄せる。
「くす。いい子ね。さ、ご褒美よ……?」
「んむぅっ、ん、んんぅうっ!」
 じゅう、と勢い良く吸い上げ、開いた口内に舌を飛び込ませる。
その舌をいつもより長くしたり、その他愉快なフォルム形成したり。魔女である彼女には、お手の物である。
「んちゅう!んっ、むうぅあっ」
 ――さて。これからどうやって遊ぼうか。
……あれがいいか。オヤシロ印の特効薬、その……なんだっけ、045?放出。
「っふ、ぐぅっ!んぐ、が、うううぅ!!」
 咽ながらも、喉へ流れ落ちた薬を確かめ、満足気に魔女は唇を離した。

「……っ?あ、ぅぁっ!?」
 突如、ヱリカの体を襲うある種の欲求。
とっさに内股を摺り合せたが、無駄だった。

そう、オヤシロ印特効薬その045とは……所謂利尿剤、である。
「ふ、う。っぐぅうう……っ、う、あ……ぁぁあああぁッ!!?」
 結果、言うまでもなく放尿開始。ぴゅーぴゅーと情けなく滴り落ちていく。
「あらぁ。おもらししちゃった……?」
「っち、ちが……あぅあっぁ、んひぃいいぃいっ!!」
 否定は出来ない。何しろ、まだまだ黄色い水は止まっちゃいないのだから。
「くすくす、クスくすっくひははぁあぁぁぁぁぁぁッ!!なぁに糞つまんない言い訳してんのよ。馬鹿がッ!」
「ひゃぅうっ!」
 罵声に怯えるヱリカを尻目に、ベルンカステルは手を差し出す。
「ほら。汚れちゃったわ。拭いて頂戴」
「んぶぅ、ん、っぐぅううくぅっ」
 口いっぱいにアンモニアのすっぱい味が広がる。
咄嗟に頭を引くが、がっちりと押さえられ逃げられない。
「綺麗にしないと駄目でしょう?一々待たせないでよね、ゴミクズ」
「っく、つむう。んちゅうぅ、ちゅぷっ、にちゅうぅ……」
 ヱリカは、指を舐めることに次第に抵抗を感じなくなっていた。否、むしろ。
「自分のおしっこ、そんなに美味しい……?」
「ひむ……っ、しゅっみゅううっ、は、あ。
あ、は、はいぃいっ、お、美味しいです……我が主の、はぁ、指がぁ……っ」
 うっとりとした顔のヱリカ。
主の指を自分の唾液でべたべたに汚すことに、気付けば快楽を感じていた。

白くて細い指。甘くて、すべすべしていて。触れて、感じられる喜びに、ヱリカは身を震わせていた。
この指で、手で。優しく撫でて欲しい。抱きしめて欲しい。強く強く、身体が裂けるほどに抱きしめて。
そしてぐちゃぐちゃになった私を美味しく食べて欲しい。そうすれば身も心も一つ。
なんて福音。――エンジェ・ベアトリーチェとかいう駒は、こんな幸運を与えられたというのか。
羨ましい。妬ましい。主に詰られて唾を吐きかけられて、侮蔑の篭った眼差しを受けられるのは私だけでいい。
あぁあああ、我が主。フレデリカ・ベルンカステルッ!!愛しています。愛しています……ッ!!

ああ、こいつ変態だったかつまんねぇのとベルンカステルはため息をつく。

「また興奮して。善がってばっかりで、いいご身分ねぇ」
「はぁ……ある、ああ、あるじいぃぃっ」
 指を引き抜き、まだ汚れていないヱリカのブラウスに擦り付ける。

「気が向いたらまた遊んであげる。だから、何があっても動いちゃ駄目よ?」
「は、はいぃい……あ、ひぅ……っ」
 ふらつく身体を起こし、ヱリカは片足で立つ。
どろどろぐちゃぐちゃ、彼女の身体から零れ落ちて床を汚したが、魔女は振り返ることなく部屋を出て行った。



  • ベルンカステラわろた -- (名無しさん) 2011-01-16 00:40:06
  • あああ、ベルヱリいいですね! -- (名無しさん) 2017-08-24 02:52:41
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