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魔女とヘタレとチョコレート」(2023/06/10 (土) 06:28:32) の最新版変更点

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本日の戦人様、お目覚めの一言。 「ってウギャアアアアア!!」 目前には、敵対している筈の魔女ベアトリーチェ。まあ、驚くのは無理はないか。 けど、原因はそれだけじゃなかった。 「なんだそのリアクションは。折角妾がステキバレンタインを演出してやろうとしたってのに」 そのお姿は、っぷっくく、形容しがたいものでした。 魔女が纏うのはドレスではなくて、甘ったるいチョコレート。そりゃあ叫びたくもなるってもの。 &i(){……キムチが欲しいわね。} 「いや、バレ、え?……こ、この痴女!!」 「ふん。その程度の文句しか出てこぬとは……情けない。まあ、良い。とにかく食え」 そんなことを仰りながら、お嬢様は戦人様にチョコレートを勧めています。 &i(){というか、押し込んでるわね。あ、口移しもしてる。} 「ぬぐっ!?ん、あま、やめ、うむっ」 無駄な抵抗は見てて心を抉りますねぇ……ぷくくくー。 &i(){ふぁいとーおー……ま、適当に頑張んなさい。} さてさて、どうやらお嬢様からのプレゼントはひと段落着いたようですね。 「ぷは……はーっ。てんめぇ、食うとか無理だろうが!ズンドコ押し付けてきやがって!」 「ふぅむ。何だ、随分甘ったるいコーディネイトだなぁ、戦人」 &i(){戦人の白いスーツも、顔も、唇も。チョコレートでべったべた。} &i(){確かに微妙ね。} 「誰のせいだよ、誰の!」 「む。ならば、妾が責任持って喰ってやろう」 「は?……っひ!?」 お嬢様は、戦人様の首筋に垂れたチョコレートを舌で掬い上げます。 「うむ、甘いの」 「な。何しや……ふぁあ!」 「ふふ、そなたは感じやすいのぉ……ほれ、こっちにも付いておるぞ~?」 「やめ、あ、っや……ひゃあうっ」 ああ、さすがお嬢様。戦人様の弱点を的確に攻めていらっしゃる。 &i(){ほんっと、戦人は弱いわね。} 「ククク、小娘のように啼きおって……まだまだたっぷり残っておるからな。しっかり最後まで責任を取ってやろうぞ」 「あ、ああ……あがあぁッ……」 &i(){絹を裂くような野太い悲鳴は、魔女たちにとっては頬が落ちるほど甘いスウィーツ。} &i(){誰も逃れられない。……くすくすくす。} ナレーションは私、ロノウェと、解説・ベルンカステル卿とでお送りいたしました。 &i(){続きはホワイトデーでね……ふふふっ。} ---- 一方、どこかの時代の、どこだかにある空の下。 「お嬢、鼻血出てますよー。チョコの食べすぎですかー?」 そんなふざけた声に一睨みをくれてやったが、男は腑抜けた笑いを返すだけだった。 彼は懐からポケットティッシュを取り出すと、鼻から垂れた血を拭った。 「違う。あとおせっかいしないで」 「そうですか?昨日貰ったヤツは甘くて美味しかったから、食べ過ぎたのかなと思ったんですけど」 その言葉に、少女の頬が僅かに赤らんだ。 「違う!……あれ、あんまり作れなかったんだから……」 「お、なら独り占めですかい?嬉しいなぁ」 「違う……違わないけど……知らない、バカ」 若い二人は、なんだかんだで仲良しだった。 だけど、少女のやっぱり受けだわ……という呟きは、隣の男にも届かず、どこかへ消えていたとさ。 &counter() ---- #comment_num2 ----
本日の戦人様、お目覚めの一言。 「ってウギャアアアアア!!」 目前には、敵対している筈の魔女ベアトリーチェ。まあ、驚くのは無理はないか。 けど、原因はそれだけじゃなかった。 「なんだそのリアクションは。折角妾がステキバレンタインを演出してやろうとしたってのに」 そのお姿は、っぷっくく、形容しがたいものでした。 魔女が纏うのはドレスではなくて、甘ったるいチョコレート。そりゃあ叫びたくもなるってもの。 &i(){……キムチが欲しいわね。} 「いや、バレ、え?……こ、この痴女!!」 「ふん。その程度の文句しか出てこぬとは……情けない。まあ、良い。とにかく食え」 そんなことを仰りながら、お嬢様は戦人様にチョコレートを勧めています。 &i(){というか、押し込んでるわね。あ、口移しもしてる。} 「ぬぐっ!?ん、あま、やめ、うむっ」 無駄な抵抗は見てて心を抉りますねぇ……ぷくくくー。 &i(){ふぁいとーおー……ま、適当に頑張んなさい。} さてさて、どうやらお嬢様からのプレゼントはひと段落着いたようですね。 「ぷは……はーっ。てんめぇ、食うとか無理だろうが!ズンドコ押し付けてきやがって!」 「ふぅむ。何だ、随分甘ったるいコーディネイトだなぁ、戦人」 &i(){戦人の白いスーツも、顔も、唇も。チョコレートでべったべた。} &i(){確かに微妙ね。} 「誰のせいだよ、誰の!」 「む。ならば、妾が責任持って喰ってやろう」 「は?……っひ!?」 お嬢様は、戦人様の首筋に垂れたチョコレートを舌で掬い上げます。 「うむ、甘いの」 「な。何しや……ふぁあ!」 「ふふ、そなたは感じやすいのぉ……ほれ、こっちにも付いておるぞ~?」 「やめ、あ、っや……ひゃあうっ」 ああ、さすがお嬢様。戦人様の弱点を的確に攻めていらっしゃる。 &i(){ほんっと、戦人は弱いわね。} 「ククク、小娘のように啼きおって……まだまだたっぷり残っておるからな。しっかり最後まで責任を取ってやろうぞ」 「あ、ああ……あがあぁッ……」 &i(){絹を裂くような野太い悲鳴は、魔女たちにとっては頬が落ちるほど甘いスウィーツ。} &i(){誰も逃れられない。……くすくすくす。} ナレーションは私、ロノウェと、解説・ベルンカステル卿とでお送りいたしました。 &i(){続きはホワイトデーでね……ふふふっ。} ---- 一方、どこかの時代の、どこだかにある空の下。 「お嬢、鼻血出てますよー。チョコの食べすぎですかー?」 そんなふざけた声に一睨みをくれてやったが、男は腑抜けた笑いを返すだけだった。 彼は懐からポケットティッシュを取り出すと、鼻から垂れた血を拭った。 「違う。あとおせっかいしないで」 「そうですか?昨日貰ったヤツは甘くて美味しかったから、食べ過ぎたのかなと思ったんですけど」 その言葉に、少女の頬が僅かに赤らんだ。 「違う!……あれ、あんまり作れなかったんだから……」 「お、なら独り占めですかい?嬉しいなぁ」 「違う……違わないけど……知らない、バカ」 若い二人は、なんだかんだで仲良しだった。 だけど、少女のやっぱり受けだわ……という呟きは、隣の男にも届かず、どこかへ消えていたとさ。 &counter() ---- #comment_num2 ----

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