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妻はサンタクロース」(2009/01/05 (月) 23:36:27) の最新版変更点

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「夏妃、今夜は……」 今日はクリスマス・イブ。恋人達が見境なく、いちゃいちゃする性なる夜である。 この数十年、仕事の都合でいつもこの日は家を空けていた。 だから、今日が妻と過ごせる初めてのクリスマス。 おっさんきもちわるい、などと思われようが知ったことか。 バスローブは新調したし、ワインも夏妃の好きな銘柄を取り寄せた。 今すぐにもルパンダイブしたい気持ちを必死に抑え、蔵臼は妻に向き直る。 そして…… 「なつ……えっ?」 「どうかなさいましたか、あなた」 そこに立っていたのは、間違いなく愛しい妻。 「そ、その格好は……その、どうしたのだね?」 真っ赤な帽子にコートとズボン、ついでに白い付けひげ。 「サンタクロースです」 ああ、確かに今の彼女の装いは、クリスマスに誰よりも忙しくなる老人のそれだった。 「では、私は朱志香にプレゼントを届けてきます」 「え、あ、ま、待ちたまえ!」 思わず止める蔵臼。だが、夏妃は勘違いをしてしまった。 「まあ……あなたも手伝って下さるのですね」 「は?」 「さ、こちらをどうぞ」 差し出されたのは、弟と同じような名前の動物の角。 「いや、夏妃」 「いつもあなたはこの時期、お忙しいですから……こんなもの、作ってもしょうがないって分かってたんです」 でも、今年は二人でプレゼントが渡せて嬉しいです、と笑う。夏妃の笑顔はどんな宝石にだって敵わない。 と、先程の発言に、聞き捨てならないことがあった。 「夏妃、この角は、君が?」 「ええ。初めて作ったものよりは、きれいにできてるとは思うのですが」 「そうか、ならば着けさせてもらおう」 夏妃の手作りという事実が、彼からまともな思考を消し去った。 頑張れ蔵臼、負けるな蔵臼。 朱志香にプレゼントを渡したら、夏妃がミニスカサンタにお着替えしてくれるぞ! 「外は冷えますから」 続く?

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