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夫婦ですから 後編」(2010/09/25 (土) 02:30:20) の最新版変更点

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注意:ヱリカへのレイプ描写があります。 ---- 「………とら………ば………さん……」 ……頭がいてぇ。 ズキズキする。 俺、どうしてたんだっけか。 たしかヱリカに何か聞こうとしてたような……。 「痛ぅっ! く……」 そこまでを思い出したところで、俺の頭の中を蛇がのたうつような感覚が襲う。 まるで昔、親父にむりやり酒を飲まされた時みてぇな頭痛。 二日酔いにしてはひどすぎるが……。 「……とらさん……ばとら……さん……」 聞き覚えのある声が俺のすぐ耳元で聞こえている。 とても綺麗な女の子の声だ。 ああ、そうだ思い出した。 たしか俺は、この声の主を愛さないといけないんだっけか? 一生を通して……。 ――なんでだよ。 愛さないといけないって何だ。 愛する相手くらい俺に決めさせろってんだ。 「戦人さん……戦人さん……!」 正直、まだ眩暈がする。 できれば目を開けずにこのままもう少しまどろんでいたかった。 けれどその声は必死になって俺の名を呼んでいたので、俺はゆっくりと目を開けていった。 するとそこには彼女の顔があった。 俺のことを心配そうに覗き込む、ヱリカの顔があったんだ。 「ん……ヱ、ヱリ……カ?」 「戦人さん……? ああ、良かった……」 俺が薄っすらと目を開けていくと、そのヱリカの顔がホっとしたように綻んでいく。 すると俺の意識が完全に回復していった。 まるで悪い夢から目が醒めたような感覚だ……。 あたりを見回してみる。 するとそこは薔薇一面の景色だった。  目の前のテーブルには、さきほどまで食していたと思われる昼食が所狭しと並べられていた。 ――ああ、憶えてる。 たしか俺はヱリカとここで昼食を取っていたんだったな。 ……けれど、そこからの記憶があいまいだった。 まるで頭の中にもやがかかっているように何も思い出せない。 俺はそれを払うように頭を振っていくと、隣でいまだ心配そうに見つめているヱリカに口を開いていく。 「……俺、どうしちまってたんだ? たしか、ヱリカと飯を食ってたとこまでは憶えてるんだが……」 「……はい。 食事をしていたら、戦人さんが急に頭を抑えて苦しみだしたんです。 あまりに長く苦しんでいたので、さすがにお医者さんを呼ぼうかと思ったんですけど……」 「…………そしたら今、正気に戻ったってとこか」 俺の問いかけにヱリカはコクンと頷いていく。 たしかに彼女の言うとおり、俺の頭にはまだ頭痛のみそっかすみてぇな感覚が残っていた。 夏妃叔母さんじゃあるまいし、俺は偏頭痛なんてわずらわしいものは持ち合わせちゃいないはずなんだがな……。 腕に付けている時計を見てみると、12時15分を挿していた。 たしか12時ちょい前くらいまでは記憶が残ってるが。 ……おいおいなんだよ。 てことは、俺はかれこれ10分以上も頭を抑えながらうんうん唸ってたってことか? そりゃヱリカだって心配するはずだぜ……。 俺はとりあえず頭を抑えている手を取り去っていくと、ひとまずヱリカを安心させてやることにした。 そんなに長い時間苦しんでいたってんなら、心配どころじゃねえだろうからな。 「……悪いな。 よくわかんねえけど、とりあえずはもう平気みてぇだ。 だいぶ収まってきた」 「…………ほんとうですか?」 「ああ。 館に帰ったら頭痛薬でも飲むことにするぜ。 ありがとなヱリカ……」 俺はそう優しくささやくと、ヱリカの頭をわしわしと撫でてやる。 まだ彼女は心配そうな瞳を向けてはいたが、どりあえずはそれで少しは安心したようだ。 胸を撫で下ろしたようにふぅっとため息をついていくと、俺の胸元に手を当ててきた。 「……よかった。 本気で心配したんですよ?」 「ほんとに悪ぃな、心配かけちまって。 ……死んじまうかと思ったか?」 「ええ、わりと本気で。 この年で未亡人になるのはご勘弁願いたいものです。 あの世で神様と浮気なんて、絶対許しませんからね?」 「いっひっひ、おっぱいぼいんぼいんの女神様とならちょっと考えちまうかもなー……って」 ヱリカの安堵した様子に俺も安心した――のもつかの間、俺はあることに気づいていく。 目の前にあるヱリカの顔。 そのほっぺに、何かドロのような汚れが付着していたのだ。 ……いや、ドロだけじゃない。 そこは薄っすらと赤い血のようなものも滲んでいて、小さくすり傷になってしまっていたのだ。 「お、おいヱリカ……おまえなんでほっぺ怪我してんだ? それ、傷…だよな?」 「え? あ、こ、これは……」 俺に指摘されヱリカは少し慌てた様子を見せる。 自分でも気がついてなかったのか頬にスっと手をやっていくと、傷があるあたりを自分で確認するように撫でていく。 ――っておいおい、こりゃ一体どういうことだ。 よく見るとおかしなことになっちまってるのは顔だけじゃねえぞ。 ヱリカの着ているドレス。 それにはところどころ顔と同じようにドロが付着し、醜く汚れてしまっていた。 おまけに胸元には強く握り締められたかのようなシワが付いていて、胸元のリボンもしわくちゃになっていた。 せっかくドロが付かないよう水溜りを避けたってのに、これじゃあ綺麗なドレスが台無しじゃねえか……。 「ど、どうしたんだよ、その汚れとシワ。 たしかさっきまではそんなことになってなかったよな……?」 「え、えっと……その……」 俺の心配する声にヱリカは何かを言い澱む仕草を見せる。 合わせる顔がないといったふうに、目線を合わせてくれなかった。 な、なんだよ、何か後ろめたいことでもあるってのか? 他にも怪我をしているところがあるのではないかと思い、俺は彼女の身体を注意深く見ていく。 ――すると案の定だ。 左脚の膝のあたりに真っ赤な鮮血を見つけてしまう。 あきらかに軽いすり傷って感じじゃない。 よっぽど激しく転んだりしなきゃできない深い傷だ。 薔薇の模様が付いたタイツはちょうどそこだけが伝線してしまっていて、痛々しくも赤黒くなった傷跡が涙を流すように血を流していた。 「お、おいッ! ひでぇ怪我してんじゃねぇか、こんなのいつ付いたんだ!」 「あ……へ、平気です、これくらい」 「バカッ!!! こんな血ぃ出てんのに平気なわけあるかよッッッ!!!」 「……ッ!? ご、ごめんなさい」 見るからにわかる傷の深さに、俺はつい興奮し声を荒げてしまう。 ヱリカがビクンと身体を震わせた。 ……まずい。 何怖がらせちまってんだ俺。 けど仕方ねぇだろ。 ヱリカを責めているわけではもちろんないんだが、愛する妻が怪我をして冷静でいられる夫がいるってんなら是非会ってみてぇもんだ。 もちろんぶん殴る為に、だが。 「ごめんなさい……」 ヱリカがしゅんとなって謝ってくる。 何が理由でこんな傷をしたんだか知らないが、今の俺がすることは彼女を怖がらせることじゃねぇはずだ。 俺は自分の中の頭をひとまず落ち着かせると、今一番すべきことを優先させていくことにする 「……いや、俺こそわりぃ怒鳴っちまって。 とにかく手当てしようぜ。 たしかあの小屋に救護箱か何かあったよな?」 俺はヱリカに一言侘びを入れると、庭園の遠くに見えている倉庫に目をやる。 庭の世話をする使用人が手入れ用具などをしまっておくところだが、薔薇で怪我をした時ようにたしか救護用具も置いてあったはずだ。 休憩用の簡易ベッドだかソファーもあったはずだから、もしもの時はヱリカを休ませることも出来る。 ただ、ちっと距離があるのが難点だな。 そんなに遠くは無いが、それなりの距離を歩かなきゃならない。 脚を怪我しちまってるヱリカにあそこまで歩けというのも酷だ――となると、やるしかねぇか。 俺が過去に封印した禁断のアレを。 「悪いなヱリカ。 ちょっとジっとしててくれるか?」 「え? …………きゃっ!?」 俺が次にした突拍子も無い行動にヱリカは悲鳴をあげる。 ……ま、そりゃそうだ。 俺は隣にいるヱリカの後ろ膝と背中に手をやっていくと、それを上にぐるんと回すようにして彼女の身体を抱きかかえたんだ。 まあなんだ……それはいわゆる、お、お姫様抱っこってやつだった。 腕の中のヱリカは目を丸くする。 そして今自分が置かれている状況を理解すると、顔を真っ赤にして暴れ始めた。 「え……ちょ、ちょっとこれ恥ずかしい!恥ずかしいです!いきなり何してんですか!」 「何言ってんだ、緊急時だろ? おとなしくお姫様になってろってんだ」 「嫌ですッ!!! 降ろして降ろして! 降ろしてください降ろして降ろせ無能戦人ーッ!!!」 「無能戦人って……ああおいバカ!足バタバタさせんな傷に触っちまうぞおいーッ!」 突然の俺のお姫様プレイに、ヱリカはめずらしく顔を真っ赤にさせながら抵抗していく。 バタつかせていく手やら足やらが、俺の顔や腕にバシバシと当たりまくって非常に痛かった。 ――けれどどこか懐かしい。 昔のヱリカはたしかこんな感じでちょっと子供っぽかった気がしないでもない。 貞淑な妻の仮面を脱いだ彼女に、俺は不覚にも爆笑しそうになっちまった。 ……というか、俺だって恥ずかしいんだからあんまり意識させないで欲しいぜ。 今考えりゃ別におんぶでも良かったんじゃねえかと思ってるくらいだ。 「うううぅぅぅぅ……」 「……観念したか? んじゃ行くぜお姫様」 いくら暴れたところで、この体勢じゃどうにもできないことに気づいたのだろう。 しばらくするとヱリカは、俺にお姫様抱っこのまま運ばれるのを(仕方なく)了承したようだった。 もっとも顔はタコみたいになって俺を睨んじゃいたが、とりあえずそれは気にしないでおく。 俺はヱリカの身体を落さないようしっかりと抱きかかえていくと、目的の小屋へゆっくりと歩めを進めていった。 「…………私、重くないですか?」 運んでいる最中、ヱリカがそんなことを腕の中で聞いてくる。 まあ、女の子なら気にするかもしれねぇな。 もっとも腕の中に感じているこの重みは俺にとっては心地よかったので、こうつぶやいてやることにする。 「いいやまったく。 というか俺としてはヱリカにもうちっと肉が付いて欲しいところだしな。 そうすれば胸も尻もムチムチになって……。 いっひっひ♪」 「…………幼児体形で悪かったですね」 ヱリカが腕の中でツンとすねたような態度を取る。 またお得意のぷく~と頬を膨らませるあれだ。 そういえば身体の話は禁句だったな。 彼女は自分の身体が俺の好み?と離れていることを気にしていたのだ。 ……ってもう遅えか。 突然、俺のほっぺに刺すような痛みが走ってくる。 ヱリカは抱きかかえられたまま器用にも腕を伸ばし、俺の右頬をギュウゥゥゥとつねっていたのだ。 「いで、いでででで! な、何すんだヱリカ!」 「私の身体をバカにした罰です。 抱きかかえられてたってこの程度の抵抗はできるんですよ? ほら、ぎゅううぅぅぅ」 「ちょ、痛てぇってッ! お、落とすぞこの女……」 どうやら本気らしい。 頬が内出血でもしてるんじゃねえかってほどヒリヒリしていた。 これじゃ俺まで傷だらけにされちまいそうだぜ。 ……まぁでも、これだけすんげえ力でつねれるなら平気か。 脚を怪我してはいるが、精神的には問題ないらしくとりあえず安心した。 「もう二度と言わないでくださいね。 わかりました?」 「へいへい。 わかりましたよ、ヱリカ姫」 俺のことを気遣ったのかつねるのに飽きたのか知らないが、やがてヱリカはようやくほっぺを解放してくれた。 『ふふふ、痛かったですか?』と上機嫌に聞いてくるところを見ると、こうして抱かれること自体はそれほど嫌ではなかったらしいな。 まあなんだ、お姫様抱っこなんていつ以来だか憶えてねぇくらいひさしぶりだしな。 たしかしたことあるのはこれで二回目だったか……。 そうしてしばらくわがままお姫様を運ぶ簡単なお仕事をこなしていくと、俺はようやく庭園の外れの小屋へヱリカを運び終える。 小屋の中には思ったとおり小さなソファーが置いてあり、俺はそこにとりあえずヱリカの身体を降ろしていく。 降ろすとき彼女はちょっと寂しそうな顔をしていたが、今はラブラブ気分に浸ってる場合じゃねえ。 「たしかこのあたりに……」 俺は近くに備えてあった棚の中を漁っていく。 すると思ったとおり、救急箱を発見できた。 それをソファーのヱリカの元へ運んでいくと、俺はまず彼女の脚のタイツを脱がせていった。 あいかわらず真っ白でスラリとした脚に思わずゴクンと唾を飲んじまうが、今はそんな場合じゃねえって言ってんだろ。 そうして露出させていくと、真っ赤な鮮血で濡れた傷口が現われた。 「けっこう血、出ちまってるな。 まだ痛むか?」 「少しだけ…………んっ!」 赤くなった傷口にシュっと消毒液を吹きかける。 色っぽい声にドキリとしたのは捨て置くことにする。 そして脚に垂れてしまっていた血を綺麗にふき取っていくと、傷口にガーゼを当て包帯を巻いていった。 手当ての専門知識なんてないが、おそらくこれだけすれば大丈夫だろう。 見た目ほどは深い傷ではないようで、しばらくすると血も止まったようだった。 「よし……とりあえずこれで平気だろ。 念のため後で館の使用人にも見てもらえば完璧だな」 「…………ありがとうございます」 俺はとりあえず一安心すると、ヱリカの座っているソファーにおなじく腰を掛けていく。 そんなに大きいソファーじゃないが、ギリギリ二人分くらいのスペースはありそうだ。 それに手当てしている際に気づいたんだが、どうもヱリカは足首もくじいちまってたらしい。 少し動かすだけでも痛いと言っている。 しばらく歩けそうにもなかったので、俺達はここでしばらく休んでいくことにした。 「まさか足まで挫いちまってたとはな。 ……痛かっただろ?」 「痛みはそれほどでも。 けど、まだ歩けそうにないですね……」 「……一体、何があったんだ? よほどのことがなけりゃあ、そんなことにはならねぇよな?」 「…………………」 俺のもっともな質問にヱリカは答えない。 何か後ろめたいことでもあるように、顔を伏せてしまうだけだ。 どうして答えられないのかは気になったが、彼女が言いたくないことならあまり深くは聞けない。 だから俺もとりあえずそれ以上は聞かないことにした。 もちろん、納得はできなかったが。 ――そりゃあまあ、想像くらいはできる。 おそらくこんなことだろうな、くらいには。 例えば、突然俺が頭痛で苦しみだしたことに慌てたヱリカはイスを立ち上がろうとし、そのひょうしに勢いあまって転んじまった、とかだな。 これなら一応筋は通るが……。 けどおそらくその推理も外れちまってるだろう。 とても転んだだけでここまでひどくなるとは思えねぇし、そもそももしそれが理由ならヱリカは俺にそう話せば済む話なわけだ。 黙ってる必要がない。 結局、答えは出ないまま。 どうしてヱリカがこんな怪我をしたのか、そしてなぜそれを俺に話せないのかまるでわからない。 俺は喉に魚の小骨でもひっかかっているような違和感を感じながらも、隣にいるヱリカの肩をしかkりと抱いてやることしかできなかった。 「……寒くないか? そろそろ館に戻ったほうがいいかもな……」 「いえ、もう少しこのままで。 どのみちまだ歩けませんし……」 「いやいや、それならまた俺がお姫様抱っこしてやるぜ? ヱリカのふとももを腕で堪能できるしな、いっひっひ♪」 「………………鈍感ですね」 「へ?」 俺がその言葉に怪訝そうな顔をしていると、ヱリカは何も言わずポスンと自分の頭を預けてきた。 ……ああ、そういうことか。 俺は乗せられてきた髪の毛を撫でてやる。 すると彼女はとてもきもちよさそうに目を細めた。 すぐ鼻先で漂っているシャンプーの甘い香りが心地いい。 俺の理性を溶かしてしまう危うさがあった。 「………………ふふっ」 「…………………?」 唐突にヱリカがクスッと微笑む――視線が俺の下半身を捉えていた。 チャックでも開いちまってるのか?と慌てて見てみると、そこにはそれよりも恥ずかしいことになっちまってるもう一人の俺がいた。 「あ…………あー、こ、これはだな。 い、いやちがうんだって……」 俺の口から弁解の言葉が飛び出る。 浮気が見つかったかのようなオロオロ具合が自分でもだダサイと思うぜ。 そこにはいきり立った俺のペニスがあった。 おそらくさっきヱリカの生足をおもいきり見ちまったせいだろう。 ズボンの布地をこんもりと盛り上がらせているそこは、たとえ相手が妻だろうと見られるのが恥ずかしいほどに自己主張をしていた。 おまけに今座っているソファーはギリギリ二人が座れる狭さ。 すぐ隣で密着しているヱリカの柔らかい身体が、こいつの硬度を更に増す要因になっちまってる。 俺はいまだに愛する妻への淡いドキドキ感が残ってることに驚きつつも、この無礼者の息子をどうしたもんかと頭を悩ませてしまう……。 「ち、ちげえんだよヱリカ。 こ、こいつは俺とはちがう生き物でよ……な、なあ?」  「くすっ……くすくすくす♪」 「い、いやほんとちがうぜ?ちがうんだって! べつに欲情しちまったとかじゃなくて、お、男にはたまに意味も無くこんなことになっちまう場合があってだな……」 「いいんですよ、言い訳しなくても。 戦人さんがまだ私を『愛してくれている』のがわかって逆に安心しました。 くすくすくすくす……♪」 ヱリカは俺のこの惨状を好意的――そう、とても好意的に解釈してくれちまうと、肩を震わせながらクスクス笑っていた。 なんでも彼女の親しい友人にそういう笑い方をする人がいるらしく、気づいたら自分もそうするのが相手をからかう時のクセになっているとか聞いた気がするが……。 ……ってことはなんだよ、今の俺はヱリカにからかわれてるってことか? まあ自業自得だがよ。  「くすくすくす……あはははははッ!」 ヱリカは一通り俺の突然勃起にクスクス笑い通すと、ようやくパチンと一回手を叩いて落ち着いてくれた。 もっともその間、俺は針のむしろに立たされているような羞恥を味わったわけだが……。 「ちっ……なにもそこまで笑うかね。 思い出した。 おまえ、やっぱり性格悪りぃぜ」 「ええ、知ってます。 おっぱいぼいんぼいんの子が良いと言っておきながらコレですから、ほんとにおもしろい男ですね。 でも、そういうとこがグッドです」 「そいつはよかった。 けど俺の今の心は猛烈にバッドだぜ、ちくしょう……」 俺は結婚以来ひさびさに聞いた彼女の口癖を真似して返しながら、ズボンのチャックに手をかけていく。 パンパンに張ったそこはチャックを降ろすのすら難しかったが、途中からヱリカの手が手伝うように添えられてきたので……それに全て委ねることにした。 角度を付けながらジジーっとチャックが降ろされていくと、モゾモゾと中の下着が弄られていく。 やがてヱリカは見つけましたという意味を込めて俺をチラっと見ると、恥ずかしくなるほどビンビンに張り詰めたペニスが外へ放り出された。 「うわ……すごいですね。 ひょっとして大興奮ですか?」 「……おまえ、まだからかってんだろ」 俺のすねるような言い方に、ヱリカは『さあ、どうでしょう?』とイジワルな言葉をぶつけてくる。 その生意気な小悪魔的表情に、俺はおもわず乱暴に押し倒してしまいたい衝動に駆られる。 けれどこの後、彼女がコレをどうしてくれるのかにも非常に興味がある。 俺はひとまず自分の中の黒い欲望を抑えると、とりあえず大人しくしていることにした。 「ほんとにすごい……ビクビク脈うってますよ?」 ガチガチになったペニスにヱリカのか細い指先が添えられていく。 男のそれとはちがい繊細で真っ白な指先は、ただそれだけで俺の興奮を煽った。 ひんやりとしている指先が熱くなったペニスに心地良いと感じていると――それがいきなり熱いぬめりの中へヌルリと吸い込まれる。 「……くっ! お、おいヱリカ……!」 おもわず男らしくない喘ぎ声をあげそうになる――我ながらよく我慢できたもんだ。 ヱリカは身体をこちらへと倒していた。 そして俺のペニスをパックリと口の中におさめてしまったのだ。 それも先っぽだけを咥えるという前戯的なものじゃない。 一気に根元までを小さな口の中へズポリと飲み込んでいってしまったのだからたまらない。 「んぅ……あむ、ぴちゃ、ぴちゃ……」 驚いている暇もなくヱリカの口の中が蠢いていく。 敏感になったペニスの至るところが柔らかい口肉に包まれ、唾液で潤沢にされた舌が竿をヌラリと這いずっていくのがわかった。 それはまさに桃源郷と呼ぶにふさわしい心地よさで、あやうく俺は咥えられてわずか数秒で達しそうになってしまったほどだ。 「んっ……んん、す、すごく硬いです……おっきい……」 口の中で存分にその存在を感じながら、ヱリカは卑猥にもペニスを咥えた感想を述べていく。 おまけに喋ることによって相乗的に発生する口の震えが、更に俺の脳を甘く痺れさせていった。 それを彼女がもし計算でやっているのなら、それは確実な効果を得て俺に快感を与えているだろう。 「う……す、すげぇ、口の中が震える……」 「……きもちいいですか? こ、このまま動かしますね……あぁ、は、早く欲しい……」 ヱリカの卑猥なセリフに少し驚く。 欲しいとはつまり、上ではなく下の口に、ということだろうか? 普段はそんなことを口にしない彼女だけに、俺のペニスはそれだけで硬度を増していった。 「はぁ、はぁ……ん、戦人さん、ばとらさん……んっ、んっ、んっ!」 頭が下で上下されていく。 その都度チュプチュプといやらしい音が狭い園芸小屋の中へ響き、もし聞き耳を立てている者がいたら女がフェラチオをしているのだと即座にわかるほどのいやらしさを含んでいた。 俺はそのフェラのきもちよさにおもわず腰が浮いてしまう。 そのままググっと上に向かって突き出すようにすると、彼女の口の奥にヌチュリと肉棒の先端があたった。 「んんッ! ん、んんん……」 ヱリカが苦しそうな声をあげる――当たり前だ。 喉奥を突かれて苦しさを感じないわけが無い。 さすがにこれはキツイのか彼女はすこしだけ顔を持ち上げると、ペニスの亀頭が喉に当たらないように調整していく。 さっきまでの俺ならここで、悪い大丈夫か?と声をかけるところだ。 けれども今の俺はそうはしなかった。 それどころかむしろ更に腰を上へと突き出し、ヱリカの口の奥の感触を存分に堪能していく。 「ふぐッ!!! ん、んんぅ……!!!」 ヱリカの一層苦しそうな声が耳に届く――俺の脳がゾクゾクとした黒い欲望で満たされた。 もちろん腰を上下させていく。 女の口の中ってやつはほんとにきもちがいいからな。 まさにペニスを入れるためにあるような場所だ。 「んんっ! ん、ん、ん……!」 「ヱリカ、もっと口を締め付けろ。 もっときもちよくできるだろ?」 「ん……ふぁ、ふぁい………」 俺の命令にヱリカは逆らわない。 言われたとおり口の中をキュっと締めつけると、ペニスが狭い膣に包まれたような感触がもうたまらなくなる。 このまま出しちまってもよかった。 おもいきり喉奥に射精したらさぞきもちいいだろうし、ヱリカの苦しむ表情も見られて一石二鳥だ。 ――けれどまだ俺は満足しない。 この程度で俺の今までの苦しみや悲しみは晴れそうに無かった。 俺はヱリカの頭に手を伸ばしていくと、さっきから左右にフリフリ揺れている青いツインテールを掴みあげてやる。 そしてそれを上下に揺さぶるようにしながらヱリカの口の肉を思う存分楽しむことにした。 「んぐっ! んんん、く、苦し……ふぅっ!んっ!」 「この程度でかよ? もっと激しくしるぜ、俺にきもちよくなって欲しいんだろ?」 「う…………は、はい。 戦人さんに、き、きもちよくなって欲しいです……」 「じゃあもっと口を動かせ。 舌をいやらしく絡めて俺をとっととイカせな」 「はい……んっ、んっ、んっ!」 俺の乱暴な命令にもヱリカは健気に口を動かしていく。 クチビルをおもいきり下にまで沈ませ根元まで一気に咥えると、同時に口の中では舌をピチャピチャと動かし始める。 正に言われたとおりに言うことを聞く女だ。 今の俺はさぞ醜悪な顔をしていることだろうな……。 ――言われなくてもわかってる。 いくら夫だからといってこんなやり方は酷すぎる、と言いてぇんだろ? 俺にだってそんなことはわかってるさ。 きっと俺はこのヱリカとの情事が済んだら、また彼女にすまなかったと謝るにちがいねぇ。 ――そうだ。 こんな右代宮戦人がいたことに俺自身も驚いちまってるのさ。 何もこれが初めてじゃない。 俺は今までにも何度もヱリカと愛し合っているわけだが、こうした自分の中の黒い欲望を彼女にぶつけちまうなんざしょっちゅうだった。 初めは気のせいだと思ってた。 ただの男の女へのサドっ気、と言われちまえばそれまでだからな。 例え相手が大切な妻であろうとなんだろうと、男には時々こうして女に多少乱暴な行いをしてしまいたいと思うことはままある。 昔は俺も友人やなんかと、そういった話をしたことがあったもんさ。 そこに俺が元々潜在的に持っていたSの資質とやらが目覚め、おまけにあのクソッタレな親父の遺伝子が混ざり合ってどうのこうの――なんていうことにすれば、この乱暴さも説明が付けられなくもなかった。 ――けれど、俺にはどうもそれだけでは腑に落ちない何かがあったんだ。 今もこうしてヱリカの髪の毛を掴んでいる。 ツインテールの可愛らしいそれを一絞りにし、このまま髪ごと引き抜いてやろうかというほどに乱暴に持ち上げていた。 おまけに自分の腰をまるで穴に突き入れるかのように遠慮なく突き出し、ヱリカのピンク色で可愛らしい唇をオナホールにでもするように乱雑に扱っちまっていた……。 俺だって人間だ。 いままでに人を嫌いになったりムカツイたりなんざはしょっちゅうだ。 だから恨みを抱いているムカツク女――とかにならこうして乱暴にしちまう可能性もあったかもしれねぇ。 けれどもヱリカはそんな女とはちがう。 少し意地っ張りで皮肉屋なところはあるが、とてもいい子だ。 なのにその彼女にこうまでしちまうのは、俺の心の奥底にヱリカへの深い憎しみでも眠っているのでは……? そう考えちまうことが一度や二度じゃなかったってわけさ。 ――あと、あらかじめ言っておく。 これは別に言い訳なんかじゃねえんだが。 ヱリカの奴は別に俺がこうすることをかまわないと言ってくれている。 俺がそういう性癖持ちであることを理解してくれている、ということだ。 それどころか俺が気持ちよくなれるならむしろもとシテ欲しいとまで言い切っている。 彼女も心の奥底ではマゾ的な願望があるのかもしれないな。 ……まあ、だからといってシテいいことにはならねぇが。 女を乱暴に扱う男なんざ俺が一番嫌いなタイプだ。 どの口が言ってんだって話だが……。 俺は自分の中に眠るもう一人の自分に嫌気がさしながら、ヱリカの口の奥におもいきり欲望をブチ撒けていった。 ドビュッ!ドクドクドクドクンッッッ!!! 「んんッッッ!!! ん、ん……んんん……!」 俺は苦しがるヱリカの頭を抑えながら射精を始めていく。 そして最後の一滴までを彼女の口の中へときっちり吐き出していった。 ペニスをビクビクと震わせながら最後までを搾り出していくと、唇からチュポンとそれを引き抜きヱリカの顔をこちらへと向けさせる。 「……全部、口の中に入ってるか?」 「ん…………」 俺の問いかけにヱリカがコクンとうなずく。 小動物のように言うことを聞く彼女に自らの雄が喜びの声をあげているのがわかる。 「そうか。 じゃあそのまま口開けろ。 こぼすなよ……」 「ふぁ、ふぁい……んあぁぁぁ……」 ヱリカが口をあ~んと開けていく。 中の精液が漏れないよう、両の手のひらをあごの下に受け皿にしていくのももはや手馴れたものだ。 すると彼女の口の中に、真っ白な獣液がタプタプと満たされているのがよく見えた。 それはかなりの量だったのか、口を開けた拍子に少しだけが端からドロリとこぼれ落ちる。 「……こぼすなって言っただろ」 「ご、ごめんなひゃい……」 俺はその零れた精液をツツっと指ですくうと、わざわざ彼女の口に戻してやる。 そしてそのまま人差し指を口の中へと送り込むと、ヱリカの口の中に溜まっている精液を舌に塗りたくるようにヌチョヌチョと這わせてやる。 それは例えるなら、オスとしての匂いをヱリカの口の中に染み付けていく行為。 こうすることで俺の中にある黒い欲望は更に喜びの声をあげていき、射精したばかりのペニスがムクムクと欲望をもたげていくのがわかった。 グチュ、グチュゥ……ヌチュッ……。 「ん……んぅぅ、ぁ、ぁ、ぁ……」 「……苦いか?」 「はい……す、すごく、にがいです……」 それはそうだろう。 精液なんざ飲んだことはないが、けっして美味いものではないのは容易に想像できる。 ましてや俺が重点的に精液を塗りつけているのは舌の奥の方。 舌が一番苦味を感じる部分だ。 つまりヱリカは今精液の苦味を存分に舌に味わってるってわけだ。 ――たまらねぇな。 「あぁ……あ、あ、あ……」 そうして俺はあらかたヱリカの舌に精液を塗りつけていくと、スっと指を引き抜いていく。 もちろんその指も舌で舐め取らせるのを忘れない。 ヱリカは恍惚とまでいえる表情で俺の指をピチャピチャと綺麗にしていくと、そのままゆっくりと口を閉じた。 「……飲め。 残すなよ」 「は、はい………んっ、んっ、んっ……」 ゴクンとヱリカの喉が上下する。 そしてすぐに何度も何度も喉の上下運動が繰り返されていくと、俺の黒い愉悦を満たしていった。 濃すぎるため喉にひっかかるのか苦労していたようだが、やがて全てをゴクンと飲み干していくと――俺のことを恨めしいような顔で見つめてくる。 「……あいかわらず乱暴ですね。 女性に何か怨みでもあるんですか……」 「…………さあな。 あるとしたらそれは女にじゃなく、おまえに、じゃねえか」 「…………………」 ヱリカは俺の言葉がショックだったのかそのまま押し黙ってしまう。 半ば冗談で言ったことだったんだが、思いのほかそのセリフが自分の中でやたらとしっくりくるのがわかった。  もしかして、俺は本当に彼女に怨みでも抱いているのか……? 「…………ッ。 つ、次はどうすればいいですか?」 俺がそう頭の中で疑念を抱いていくと、それが聞こえたかのようにヱリカが慌てて語りかけてくる。 その態度が少し気にはなったが――今はこの下半身の欲を早く彼女の中で満たしたい。 俺は掴んでいたヱリカのツインテールをグイっと引っ張ると、彼女の身体をソファーの前の床へと放り投げた。 「きゃっ! い、痛ッ……」 ヱリカの身体が埃の積もった床にゴミのように転がっていく。 さきほど手当てした膝に触ったようだが、今の俺にはどうでもいいことだ。 転がった拍子にドレススカートの中から真っ白な両脚があらわになる――俺はゴクリと生唾を飲み込んだ。 「そういえば、さっき欲しいって言ってたな。 じゃあそのまま足開け、ヱリカ」 ヱリカの生脚が俺を挑発する。 そういえばさっき手当てしてやった時にもドキリとしてたのを思い出した。 どうせならあの時押し倒して犯っちまえばよかったな……。 ヱリカは俺のことを上目遣いに見ていくと、ゆっくりとその美味そうな両脚を開いていった……。 「こ、こうでいいですか……戦人さん」 顔を真っ赤にするヱリカ――目を背けながらのオズオズとした開脚がなかなかそそられる。 まあ、どうせこれも計算だろうが。 そうしてスカートがゆっくり開かれていくと、可愛らしい下着が見えてきた。 ピンクのそれがまた加虐心を煽り、気づくと俺はヱリカの身体にガバッと覆いかぶさっていた。 「あっ!……ん、んん……」 「あいかわらずマゾだな、おまえ。 俺に犯されるの待ってたのか?」 「は……い、ん、んんっ!」 首筋にピチャリと舌を這わせてやる。 続けて耳元でそう囁いてやると、ヱリカはゾクゾクと身体を震わせた。 更に右手で右の乳房を掴んでいく。 ドレスの上からじゃ大して大きくないそれは柔らさはさほど感じられないが、グニグニとした感触くらいは手のひらで楽しめた。 そして空いた左手では下半身へと手を伸ばし、彼女のピンク色の下着を脱がしにかかる。 「あ……ま、待って、待ってください……」 ヱリカがめずらしく拒絶する。 けれど俺はそれすらも俺を興奮させるための演技だと好意的に解釈していく。 下着の横のラインに親指をクイっとひっかけると、それをズルリと下まで降ろしてしまう。 「脱がさなきゃできねえだろ。 下着の横からねじ込むのはさすがに飽きたしな」 ヱリカの長い両脚の上をスルリと滑らせ、必要の無い布をつま先から抜き取っていく。 犯されていることを自覚させるため、片足に引っ掛けたままにしてやることにした。 そして我慢の効かなくなった俺はすぐさま彼女の両脚はガバっと開き、その間に自分の身体を割り込ませる。 ……涙目になっているヱリカの顔がそこにあった。 「……い、入れるんですか」 「ああ、このまま捻じ入れてやるよ。 どうせもう濡れてんだろ? そうでなくても入れちまうけどな」 「……乱暴ですね。 レイプですよ、これ…………あっ!!!」 ヱリカの口から悲鳴とも喘ぎともつかない声が漏れる。 俺は有無を言わさず割れ目にペニスを突き入れていた。 そうしたら案の定、ソレはヌルリと膣内を通り奥にまでグチュリと入ってしまう。 やはりすでにフェラをした時に濡らしまくっていたのか、その濡れ具合がこのセックスが強姦ではなく和姦だと教えてくれていた。 俺はそのまま動いていく。 腰をグッグッと前後させ、ヱリカの膣をおもいきり乱暴に突きまくっていく。 「あっ! ぁ、ぁ、ぁ、あっ……!」 途端、目の前のヱリカの顔が口をパックリと開けただらしないものへ変化していく。 涙目になりながらのその甘い表情は、どこからどう見ても快感に喜んでいる女のアヘ顔だ。 おまけにペニスを突き入れた膣口はクチュックチュッと淫らな音をさせていて、それが肉と肉が絡み合う様をよく表していた。 「あっ!あっ!あっ! 戦人さん……ばとらさん、あっ……!」 「く……す、すげぇ……」 ヱリカの喘ぎ声を興奮の増幅剤にしつつ、俺はあいかわらずの膣の気持ちよさにおもわず呻く。 ――最高だ。 あいかわらずヱリカの膣の中は最高の感触だった。 ペニスの根元が膣口にギュウゥゥと締め付けられる。 それは俺のことを離したくないという本能の表れか。 ペニスの中ほどはウネウネと蠢く膣壁に絡め取られ、竿全体を刺激するように快感を煽ってくる。 まるで生き物のように。 そしてペニスの先端。 そこでは子宮の入り口がチュウゥゥと吸い付いてくるように亀頭を飲み込もうとしており、薄っすらと子種の混ざる先走り汁が間違いなく子供が出来る器官へと送り込まれていた。 ――とてもニンゲンの構造をした膣とは思えない。 それこそヱリカの身体は俺にとって魔女そのものだった。 「ん……ああ、い、いい……ば、戦人さん……」 身体を激しく前後に揺らされながら、ヱリカが俺の名を呼んでいく。 すると目の前に真っ赤な舌がヌラリと突き出されてきた。 キスをねだっているんだろう。 さっきはレイプだなんだと言っていたくせに、彼女も彼女でこうされるのが大好きなことを俺は知っていた。 望みどおりそれに舌を絡めていってやる。 唇よりも先に舌を望んでくるとは、なんとも淫らなヱリカらしかった。 「はぁ……ん、ん、ん……♪」 愛する者の舌を確保すると、ヱリカはそのまま俺の頭に両手を回し抱きしめてくる。 女って奴はどうしてこんなにもキスが好きなんだろうな。 だから俺も腰をグイグイと動かしてやる。 男はこちらの方が好きなのだからギブアンドテイクってやつだ。 上ではピチャピチャと舌肉が絡み合い、下では肉と穴がグチュグチュと擦りあう。 まさしく俺とヱリカの望みが合致していた。 「はぁ、あ、んっ、んっ、んっ……んんっ!」 「…………くっ!」 ゾクゾクっと背筋に痺れが走る。 ヱリカの舌に何か甘い液体を感じた瞬間、ペニスが急激に射精を始めていた。 「あっ! ば、戦人さん……な、中に……」 ヱリカの愛おしげな瞳が俺を見つめる。 それには子種を注ぎ込んでもらえることへの幸福感が満ちていた。 ドクリドクリドクリ……。 どうやっても止められない液体が、そのまま彼女の子宮の中へと流れ込んでいく。 「く……エ、ヱリカ……うっ!」 中出しは男にとって最高の快楽――そんなことを昔悪友の誰かが言っていた気がする。 その時は、おいおい子供が出来ちまったらどうすんだよ?なんて呆れて聞いていたもんだが……。 今ならそいつの言っていたことがよくわかる。 たしかにこんなきもちのいいもんを知っちまったら、妊娠なんて気にせず出しちまうのもわからないでもなかった。 ましてや俺とヱリカは夫婦なんだ。 幸い経済的にも育てられるだけの潤いはある。 そろそろ作ってもいい頃かもしれない。 ――なのに、なんでだろうな。 なんで俺はいつもいつも、こうしてヱリカの子宮に種を送り込むことに激しい背徳感を憶えちまうんだろうか……。 「ふぁ、ぁ……あ、熱い……」 ヱリカは俺の精液を中で感じていくと、自分のお腹を愛おしそうに擦っていく。 まるでもうそこに新たな命が生まれているかのように。 俺は徐々に膣の中で脈動を止めていくペニスを感じながら、彼女の満足そうな顔をいつまでも見続けていった……。 &counter(today) &counter() ---- #comment_num2 ----
注意:ヱリカへのレイプ描写があります。 ---- 「………とら………ば………さん……」 ……頭がいてぇ。 ズキズキする。 俺、どうしてたんだっけか。 たしかヱリカに何か聞こうとしてたような……。 「痛ぅっ! く……」 そこまでを思い出したところで、俺の頭の中を蛇がのたうつような感覚が襲う。 まるで昔、親父にむりやり酒を飲まされた時みてぇな頭痛。 二日酔いにしてはひどすぎるが……。 「……とらさん……ばとら……さん……」 聞き覚えのある声が俺のすぐ耳元で聞こえている。 とても綺麗な女の子の声だ。 ああ、そうだ思い出した。 たしか俺は、この声の主を愛さないといけないんだっけか? 一生を通して……。 ――なんでだよ。 愛さないといけないって何だ。 愛する相手くらい俺に決めさせろってんだ。 「戦人さん……戦人さん……!」 正直、まだ眩暈がする。 できれば目を開けずにこのままもう少しまどろんでいたかった。 けれどその声は必死になって俺の名を呼んでいたので、俺はゆっくりと目を開けていった。 するとそこには彼女の顔があった。 俺のことを心配そうに覗き込む、ヱリカの顔があったんだ。 「ん……ヱ、ヱリ……カ?」 「戦人さん……? ああ、良かった……」 俺が薄っすらと目を開けていくと、そのヱリカの顔がホっとしたように綻んでいく。 すると俺の意識が完全に回復していった。 まるで悪い夢から目が醒めたような感覚だ……。 あたりを見回してみる。 するとそこは薔薇一面の景色だった。  目の前のテーブルには、さきほどまで食していたと思われる昼食が所狭しと並べられていた。 ――ああ、憶えてる。 たしか俺はヱリカとここで昼食を取っていたんだったな。 ……けれど、そこからの記憶があいまいだった。 まるで頭の中にもやがかかっているように何も思い出せない。 俺はそれを払うように頭を振っていくと、隣でいまだ心配そうに見つめているヱリカに口を開いていく。 「……俺、どうしちまってたんだ? たしか、ヱリカと飯を食ってたとこまでは憶えてるんだが……」 「……はい。 食事をしていたら、戦人さんが急に頭を抑えて苦しみだしたんです。 あまりに長く苦しんでいたので、さすがにお医者さんを呼ぼうかと思ったんですけど……」 「…………そしたら今、正気に戻ったってとこか」 俺の問いかけにヱリカはコクンと頷いていく。 たしかに彼女の言うとおり、俺の頭にはまだ頭痛のみそっかすみてぇな感覚が残っていた。 夏妃叔母さんじゃあるまいし、俺は偏頭痛なんてわずらわしいものは持ち合わせちゃいないはずなんだがな……。 腕に付けている時計を見てみると、12時15分を挿していた。 たしか12時ちょい前くらいまでは記憶が残ってるが。 ……おいおいなんだよ。 てことは、俺はかれこれ10分以上も頭を抑えながらうんうん唸ってたってことか? そりゃヱリカだって心配するはずだぜ……。 俺はとりあえず頭を抑えている手を取り去っていくと、ひとまずヱリカを安心させてやることにした。 そんなに長い時間苦しんでいたってんなら、心配どころじゃねえだろうからな。 「……悪いな。 よくわかんねえけど、とりあえずはもう平気みてぇだ。 だいぶ収まってきた」 「…………ほんとうですか?」 「ああ。 館に帰ったら頭痛薬でも飲むことにするぜ。 ありがとなヱリカ……」 俺はそう優しくささやくと、ヱリカの頭をわしわしと撫でてやる。 まだ彼女は心配そうな瞳を向けてはいたが、どりあえずはそれで少しは安心したようだ。 胸を撫で下ろしたようにふぅっとため息をついていくと、俺の胸元に手を当ててきた。 「……よかった。 本気で心配したんですよ?」 「ほんとに悪ぃな、心配かけちまって。 ……死んじまうかと思ったか?」 「ええ、わりと本気で。 この年で未亡人になるのはご勘弁願いたいものです。 あの世で神様と浮気なんて、絶対許しませんからね?」 「いっひっひ、おっぱいぼいんぼいんの女神様とならちょっと考えちまうかもなー……って」 ヱリカの安堵した様子に俺も安心した――のもつかの間、俺はあることに気づいていく。 目の前にあるヱリカの顔。 そのほっぺに、何かドロのような汚れが付着していたのだ。 ……いや、ドロだけじゃない。 そこは薄っすらと赤い血のようなものも滲んでいて、小さくすり傷になってしまっていたのだ。 「お、おいヱリカ……おまえなんでほっぺ怪我してんだ? それ、傷…だよな?」 「え? あ、こ、これは……」 俺に指摘されヱリカは少し慌てた様子を見せる。 自分でも気がついてなかったのか頬にスっと手をやっていくと、傷があるあたりを自分で確認するように撫でていく。 ――っておいおい、こりゃ一体どういうことだ。 よく見るとおかしなことになっちまってるのは顔だけじゃねえぞ。 ヱリカの着ているドレス。 それにはところどころ顔と同じようにドロが付着し、醜く汚れてしまっていた。 おまけに胸元には強く握り締められたかのようなシワが付いていて、胸元のリボンもしわくちゃになっていた。 せっかくドロが付かないよう水溜りを避けたってのに、これじゃあ綺麗なドレスが台無しじゃねえか……。 「ど、どうしたんだよ、その汚れとシワ。 たしかさっきまではそんなことになってなかったよな……?」 「え、えっと……その……」 俺の心配する声にヱリカは何かを言い澱む仕草を見せる。 合わせる顔がないといったふうに、目線を合わせてくれなかった。 な、なんだよ、何か後ろめたいことでもあるってのか? 他にも怪我をしているところがあるのではないかと思い、俺は彼女の身体を注意深く見ていく。 ――すると案の定だ。 左脚の膝のあたりに真っ赤な鮮血を見つけてしまう。 あきらかに軽いすり傷って感じじゃない。 よっぽど激しく転んだりしなきゃできない深い傷だ。 薔薇の模様が付いたタイツはちょうどそこだけが伝線してしまっていて、痛々しくも赤黒くなった傷跡が涙を流すように血を流していた。 「お、おいッ! ひでぇ怪我してんじゃねぇか、こんなのいつ付いたんだ!」 「あ……へ、平気です、これくらい」 「バカッ!!! こんな血ぃ出てんのに平気なわけあるかよッッッ!!!」 「……ッ!? ご、ごめんなさい」 見るからにわかる傷の深さに、俺はつい興奮し声を荒げてしまう。 ヱリカがビクンと身体を震わせた。 ……まずい。 何怖がらせちまってんだ俺。 けど仕方ねぇだろ。 ヱリカを責めているわけではもちろんないんだが、愛する妻が怪我をして冷静でいられる夫がいるってんなら是非会ってみてぇもんだ。 もちろんぶん殴る為に、だが。 「ごめんなさい……」 ヱリカがしゅんとなって謝ってくる。 何が理由でこんな傷をしたんだか知らないが、今の俺がすることは彼女を怖がらせることじゃねぇはずだ。 俺は自分の中の頭をひとまず落ち着かせると、今一番すべきことを優先させていくことにする 「……いや、俺こそわりぃ怒鳴っちまって。 とにかく手当てしようぜ。 たしかあの小屋に救護箱か何かあったよな?」 俺はヱリカに一言侘びを入れると、庭園の遠くに見えている倉庫に目をやる。 庭の世話をする使用人が手入れ用具などをしまっておくところだが、薔薇で怪我をした時ようにたしか救護用具も置いてあったはずだ。 休憩用の簡易ベッドだかソファーもあったはずだから、もしもの時はヱリカを休ませることも出来る。 ただ、ちっと距離があるのが難点だな。 そんなに遠くは無いが、それなりの距離を歩かなきゃならない。 脚を怪我しちまってるヱリカにあそこまで歩けというのも酷だ――となると、やるしかねぇか。 俺が過去に封印した禁断のアレを。 「悪いなヱリカ。 ちょっとジっとしててくれるか?」 「え? …………きゃっ!?」 俺が次にした突拍子も無い行動にヱリカは悲鳴をあげる。 ……ま、そりゃそうだ。 俺は隣にいるヱリカの後ろ膝と背中に手をやっていくと、それを上にぐるんと回すようにして彼女の身体を抱きかかえたんだ。 まあなんだ……それはいわゆる、お、お姫様抱っこってやつだった。 腕の中のヱリカは目を丸くする。 そして今自分が置かれている状況を理解すると、顔を真っ赤にして暴れ始めた。 「え……ちょ、ちょっとこれ恥ずかしい!恥ずかしいです!いきなり何してんですか!」 「何言ってんだ、緊急時だろ? おとなしくお姫様になってろってんだ」 「嫌ですッ!!! 降ろして降ろして! 降ろしてください降ろして降ろせ無能戦人ーッ!!!」 「無能戦人って……ああおいバカ!足バタバタさせんな傷に触っちまうぞおいーッ!」 突然の俺のお姫様プレイに、ヱリカはめずらしく顔を真っ赤にさせながら抵抗していく。 バタつかせていく手やら足やらが、俺の顔や腕にバシバシと当たりまくって非常に痛かった。 ――けれどどこか懐かしい。 昔のヱリカはたしかこんな感じでちょっと子供っぽかった気がしないでもない。 貞淑な妻の仮面を脱いだ彼女に、俺は不覚にも爆笑しそうになっちまった。 ……というか、俺だって恥ずかしいんだからあんまり意識させないで欲しいぜ。 今考えりゃ別におんぶでも良かったんじゃねえかと思ってるくらいだ。 「うううぅぅぅぅ……」 「……観念したか? んじゃ行くぜお姫様」 いくら暴れたところで、この体勢じゃどうにもできないことに気づいたのだろう。 しばらくするとヱリカは、俺にお姫様抱っこのまま運ばれるのを(仕方なく)了承したようだった。 もっとも顔はタコみたいになって俺を睨んじゃいたが、とりあえずそれは気にしないでおく。 俺はヱリカの身体を落さないようしっかりと抱きかかえていくと、目的の小屋へゆっくりと歩めを進めていった。 「…………私、重くないですか?」 運んでいる最中、ヱリカがそんなことを腕の中で聞いてくる。 まあ、女の子なら気にするかもしれねぇな。 もっとも腕の中に感じているこの重みは俺にとっては心地よかったので、こうつぶやいてやることにする。 「いいやまったく。 というか俺としてはヱリカにもうちっと肉が付いて欲しいところだしな。 そうすれば胸も尻もムチムチになって……。 いっひっひ♪」 「…………幼児体形で悪かったですね」 ヱリカが腕の中でツンとすねたような態度を取る。 またお得意のぷく~と頬を膨らませるあれだ。 そういえば身体の話は禁句だったな。 彼女は自分の身体が俺の好み?と離れていることを気にしていたのだ。 ……ってもう遅えか。 突然、俺のほっぺに刺すような痛みが走ってくる。 ヱリカは抱きかかえられたまま器用にも腕を伸ばし、俺の右頬をギュウゥゥゥとつねっていたのだ。 「いで、いでででで! な、何すんだヱリカ!」 「私の身体をバカにした罰です。 抱きかかえられてたってこの程度の抵抗はできるんですよ? ほら、ぎゅううぅぅぅ」 「ちょ、痛てぇってッ! お、落とすぞこの女……」 どうやら本気らしい。 頬が内出血でもしてるんじゃねえかってほどヒリヒリしていた。 これじゃ俺まで傷だらけにされちまいそうだぜ。 ……まぁでも、これだけすんげえ力でつねれるなら平気か。 脚を怪我してはいるが、精神的には問題ないらしくとりあえず安心した。 「もう二度と言わないでくださいね。 わかりました?」 「へいへい。 わかりましたよ、ヱリカ姫」 俺のことを気遣ったのかつねるのに飽きたのか知らないが、やがてヱリカはようやくほっぺを解放してくれた。 『ふふふ、痛かったですか?』と上機嫌に聞いてくるところを見ると、こうして抱かれること自体はそれほど嫌ではなかったらしいな。 まあなんだ、お姫様抱っこなんていつ以来だか憶えてねぇくらいひさしぶりだしな。 たしかしたことあるのはこれで二回目だったか……。 そうしてしばらくわがままお姫様を運ぶ簡単なお仕事をこなしていくと、俺はようやく庭園の外れの小屋へヱリカを運び終える。 小屋の中には思ったとおり小さなソファーが置いてあり、俺はそこにとりあえずヱリカの身体を降ろしていく。 降ろすとき彼女はちょっと寂しそうな顔をしていたが、今はラブラブ気分に浸ってる場合じゃねえ。 「たしかこのあたりに……」 俺は近くに備えてあった棚の中を漁っていく。 すると思ったとおり、救急箱を発見できた。 それをソファーのヱリカの元へ運んでいくと、俺はまず彼女の脚のタイツを脱がせていった。 あいかわらず真っ白でスラリとした脚に思わずゴクンと唾を飲んじまうが、今はそんな場合じゃねえって言ってんだろ。 そうして露出させていくと、真っ赤な鮮血で濡れた傷口が現われた。 「けっこう血、出ちまってるな。 まだ痛むか?」 「少しだけ…………んっ!」 赤くなった傷口にシュっと消毒液を吹きかける。 色っぽい声にドキリとしたのは捨て置くことにする。 そして脚に垂れてしまっていた血を綺麗にふき取っていくと、傷口にガーゼを当て包帯を巻いていった。 手当ての専門知識なんてないが、おそらくこれだけすれば大丈夫だろう。 見た目ほどは深い傷ではないようで、しばらくすると血も止まったようだった。 「よし……とりあえずこれで平気だろ。 念のため後で館の使用人にも見てもらえば完璧だな」 「…………ありがとうございます」 俺はとりあえず一安心すると、ヱリカの座っているソファーにおなじく腰を掛けていく。 そんなに大きいソファーじゃないが、ギリギリ二人分くらいのスペースはありそうだ。 それに手当てしている際に気づいたんだが、どうもヱリカは足首もくじいちまってたらしい。 少し動かすだけでも痛いと言っている。 しばらく歩けそうにもなかったので、俺達はここでしばらく休んでいくことにした。 「まさか足まで挫いちまってたとはな。 ……痛かっただろ?」 「痛みはそれほどでも。 けど、まだ歩けそうにないですね……」 「……一体、何があったんだ? よほどのことがなけりゃあ、そんなことにはならねぇよな?」 「…………………」 俺のもっともな質問にヱリカは答えない。 何か後ろめたいことでもあるように、顔を伏せてしまうだけだ。 どうして答えられないのかは気になったが、彼女が言いたくないことならあまり深くは聞けない。 だから俺もとりあえずそれ以上は聞かないことにした。 もちろん、納得はできなかったが。 ――そりゃあまあ、想像くらいはできる。 おそらくこんなことだろうな、くらいには。 例えば、突然俺が頭痛で苦しみだしたことに慌てたヱリカはイスを立ち上がろうとし、そのひょうしに勢いあまって転んじまった、とかだな。 これなら一応筋は通るが……。 けどおそらくその推理も外れちまってるだろう。 とても転んだだけでここまでひどくなるとは思えねぇし、そもそももしそれが理由ならヱリカは俺にそう話せば済む話なわけだ。 黙ってる必要がない。 結局、答えは出ないまま。 どうしてヱリカがこんな怪我をしたのか、そしてなぜそれを俺に話せないのかまるでわからない。 俺は喉に魚の小骨でもひっかかっているような違和感を感じながらも、隣にいるヱリカの肩をしかkりと抱いてやることしかできなかった。 「……寒くないか? そろそろ館に戻ったほうがいいかもな……」 「いえ、もう少しこのままで。 どのみちまだ歩けませんし……」 「いやいや、それならまた俺がお姫様抱っこしてやるぜ? ヱリカのふとももを腕で堪能できるしな、いっひっひ♪」 「………………鈍感ですね」 「へ?」 俺がその言葉に怪訝そうな顔をしていると、ヱリカは何も言わずポスンと自分の頭を預けてきた。 ……ああ、そういうことか。 俺は乗せられてきた髪の毛を撫でてやる。 すると彼女はとてもきもちよさそうに目を細めた。 すぐ鼻先で漂っているシャンプーの甘い香りが心地いい。 俺の理性を溶かしてしまう危うさがあった。 「………………ふふっ」 「…………………?」 唐突にヱリカがクスッと微笑む――視線が俺の下半身を捉えていた。 チャックでも開いちまってるのか?と慌てて見てみると、そこにはそれよりも恥ずかしいことになっちまってるもう一人の俺がいた。 「あ…………あー、こ、これはだな。 い、いやちがうんだって……」 俺の口から弁解の言葉が飛び出る。 浮気が見つかったかのようなオロオロ具合が自分でもだダサイと思うぜ。 そこにはいきり立った俺のペニスがあった。 おそらくさっきヱリカの生足をおもいきり見ちまったせいだろう。 ズボンの布地をこんもりと盛り上がらせているそこは、たとえ相手が妻だろうと見られるのが恥ずかしいほどに自己主張をしていた。 おまけに今座っているソファーはギリギリ二人が座れる狭さ。 すぐ隣で密着しているヱリカの柔らかい身体が、こいつの硬度を更に増す要因になっちまってる。 俺はいまだに愛する妻への淡いドキドキ感が残ってることに驚きつつも、この無礼者の息子をどうしたもんかと頭を悩ませてしまう……。 「ち、ちげえんだよヱリカ。 こ、こいつは俺とはちがう生き物でよ……な、なあ?」  「くすっ……くすくすくす♪」 「い、いやほんとちがうぜ?ちがうんだって! べつに欲情しちまったとかじゃなくて、お、男にはたまに意味も無くこんなことになっちまう場合があってだな……」 「いいんですよ、言い訳しなくても。 戦人さんがまだ私を『愛してくれている』のがわかって逆に安心しました。 くすくすくすくす……♪」 ヱリカは俺のこの惨状を好意的――そう、とても好意的に解釈してくれちまうと、肩を震わせながらクスクス笑っていた。 なんでも彼女の親しい友人にそういう笑い方をする人がいるらしく、気づいたら自分もそうするのが相手をからかう時のクセになっているとか聞いた気がするが……。 ……ってことはなんだよ、今の俺はヱリカにからかわれてるってことか? まあ自業自得だがよ。  「くすくすくす……あはははははッ!」 ヱリカは一通り俺の突然勃起にクスクス笑い通すと、ようやくパチンと一回手を叩いて落ち着いてくれた。 もっともその間、俺は針のむしろに立たされているような羞恥を味わったわけだが……。 「ちっ……なにもそこまで笑うかね。 思い出した。 おまえ、やっぱり性格悪りぃぜ」 「ええ、知ってます。 おっぱいぼいんぼいんの子が良いと言っておきながらコレですから、ほんとにおもしろい男ですね。 でも、そういうとこがグッドです」 「そいつはよかった。 けど俺の今の心は猛烈にバッドだぜ、ちくしょう……」 俺は結婚以来ひさびさに聞いた彼女の口癖を真似して返しながら、ズボンのチャックに手をかけていく。 パンパンに張ったそこはチャックを降ろすのすら難しかったが、途中からヱリカの手が手伝うように添えられてきたので……それに全て委ねることにした。 角度を付けながらジジーっとチャックが降ろされていくと、モゾモゾと中の下着が弄られていく。 やがてヱリカは見つけましたという意味を込めて俺をチラっと見ると、恥ずかしくなるほどビンビンに張り詰めたペニスが外へ放り出された。 「うわ……すごいですね。 ひょっとして大興奮ですか?」 「……おまえ、まだからかってんだろ」 俺のすねるような言い方に、ヱリカは『さあ、どうでしょう?』とイジワルな言葉をぶつけてくる。 その生意気な小悪魔的表情に、俺はおもわず乱暴に押し倒してしまいたい衝動に駆られる。 けれどこの後、彼女がコレをどうしてくれるのかにも非常に興味がある。 俺はひとまず自分の中の黒い欲望を抑えると、とりあえず大人しくしていることにした。 「ほんとにすごい……ビクビク脈うってますよ?」 ガチガチになったペニスにヱリカのか細い指先が添えられていく。 男のそれとはちがい繊細で真っ白な指先は、ただそれだけで俺の興奮を煽った。 ひんやりとしている指先が熱くなったペニスに心地良いと感じていると――それがいきなり熱いぬめりの中へヌルリと吸い込まれる。 「……くっ! お、おいヱリカ……!」 おもわず男らしくない喘ぎ声をあげそうになる――我ながらよく我慢できたもんだ。 ヱリカは身体をこちらへと倒していた。 そして俺のペニスをパックリと口の中におさめてしまったのだ。 それも先っぽだけを咥えるという前戯的なものじゃない。 一気に根元までを小さな口の中へズポリと飲み込んでいってしまったのだからたまらない。 「んぅ……あむ、ぴちゃ、ぴちゃ……」 驚いている暇もなくヱリカの口の中が蠢いていく。 敏感になったペニスの至るところが柔らかい口肉に包まれ、唾液で潤沢にされた舌が竿をヌラリと這いずっていくのがわかった。 それはまさに桃源郷と呼ぶにふさわしい心地よさで、あやうく俺は咥えられてわずか数秒で達しそうになってしまったほどだ。 「んっ……んん、す、すごく硬いです……おっきい……」 口の中で存分にその存在を感じながら、ヱリカは卑猥にもペニスを咥えた感想を述べていく。 おまけに喋ることによって相乗的に発生する口の震えが、更に俺の脳を甘く痺れさせていった。 それを彼女がもし計算でやっているのなら、それは確実な効果を得て俺に快感を与えているだろう。 「う……す、すげぇ、口の中が震える……」 「……きもちいいですか? こ、このまま動かしますね……あぁ、は、早く欲しい……」 ヱリカの卑猥なセリフに少し驚く。 欲しいとはつまり、上ではなく下の口に、ということだろうか? 普段はそんなことを口にしない彼女だけに、俺のペニスはそれだけで硬度を増していった。 「はぁ、はぁ……ん、戦人さん、ばとらさん……んっ、んっ、んっ!」 頭が下で上下されていく。 その都度チュプチュプといやらしい音が狭い園芸小屋の中へ響き、もし聞き耳を立てている者がいたら女がフェラチオをしているのだと即座にわかるほどのいやらしさを含んでいた。 俺はそのフェラのきもちよさにおもわず腰が浮いてしまう。 そのままググっと上に向かって突き出すようにすると、彼女の口の奥にヌチュリと肉棒の先端があたった。 「んんッ! ん、んんん……」 ヱリカが苦しそうな声をあげる――当たり前だ。 喉奥を突かれて苦しさを感じないわけが無い。 さすがにこれはキツイのか彼女はすこしだけ顔を持ち上げると、ペニスの亀頭が喉に当たらないように調整していく。 さっきまでの俺ならここで、悪い大丈夫か?と声をかけるところだ。 けれども今の俺はそうはしなかった。 それどころかむしろ更に腰を上へと突き出し、ヱリカの口の奥の感触を存分に堪能していく。 「ふぐッ!!! ん、んんぅ……!!!」 ヱリカの一層苦しそうな声が耳に届く――俺の脳がゾクゾクとした黒い欲望で満たされた。 もちろん腰を上下させていく。 女の口の中ってやつはほんとにきもちがいいからな。 まさにペニスを入れるためにあるような場所だ。 「んんっ! ん、ん、ん……!」 「ヱリカ、もっと口を締め付けろ。 もっときもちよくできるだろ?」 「ん……ふぁ、ふぁい………」 俺の命令にヱリカは逆らわない。 言われたとおり口の中をキュっと締めつけると、ペニスが狭い膣に包まれたような感触がもうたまらなくなる。 このまま出しちまってもよかった。 おもいきり喉奥に射精したらさぞきもちいいだろうし、ヱリカの苦しむ表情も見られて一石二鳥だ。 ――けれどまだ俺は満足しない。 この程度で俺の今までの苦しみや悲しみは晴れそうに無かった。 俺はヱリカの頭に手を伸ばしていくと、さっきから左右にフリフリ揺れている青いツインテールを掴みあげてやる。 そしてそれを上下に揺さぶるようにしながらヱリカの口の肉を思う存分楽しむことにした。 「んぐっ! んんん、く、苦し……ふぅっ!んっ!」 「この程度でかよ? もっと激しくするぜ、俺にきもちよくなって欲しいんだろ?」 「う…………は、はい。 戦人さんに、き、きもちよくなって欲しいです……」 「じゃあもっと口を動かせ。 舌をいやらしく絡めて俺をとっととイカせな」 「はい……んっ、んっ、んっ!」 俺の乱暴な命令にもヱリカは健気に口を動かしていく。 クチビルをおもいきり下にまで沈ませ根元まで一気に咥えると、同時に口の中では舌をピチャピチャと動かし始める。 正に言われたとおりに言うことを聞く女だ。 今の俺はさぞ醜悪な顔をしていることだろうな……。 ――言われなくてもわかってる。 いくら夫だからといってこんなやり方は酷すぎる、と言いてぇんだろ? 俺にだってそんなことはわかってるさ。 きっと俺はこのヱリカとの情事が済んだら、また彼女にすまなかったと謝るにちがいねぇ。 ――そうだ。 こんな右代宮戦人がいたことに俺自身も驚いちまってるのさ。 何もこれが初めてじゃない。 俺は今までにも何度もヱリカと愛し合っているわけだが、こうした自分の中の黒い欲望を彼女にぶつけちまうなんざしょっちゅうだった。 初めは気のせいだと思ってた。 ただの男の女へのサドっ気、と言われちまえばそれまでだからな。 例え相手が大切な妻であろうとなんだろうと、男には時々こうして女に多少乱暴な行いをしてしまいたいと思うことはままある。 昔は俺も友人やなんかと、そういった話をしたことがあったもんさ。 そこに俺が元々潜在的に持っていたSの資質とやらが目覚め、おまけにあのクソッタレな親父の遺伝子が混ざり合ってどうのこうの――なんていうことにすれば、この乱暴さも説明が付けられなくもなかった。 ――けれど、俺にはどうもそれだけでは腑に落ちない何かがあったんだ。 今もこうしてヱリカの髪の毛を掴んでいる。 ツインテールの可愛らしいそれを一絞りにし、このまま髪ごと引き抜いてやろうかというほどに乱暴に持ち上げていた。 おまけに自分の腰をまるで穴に突き入れるかのように遠慮なく突き出し、ヱリカのピンク色で可愛らしい唇をオナホールにでもするように乱雑に扱っちまっていた……。 俺だって人間だ。 いままでに人を嫌いになったりムカツイたりなんざはしょっちゅうだ。 だから恨みを抱いているムカツク女――とかにならこうして乱暴にしちまう可能性もあったかもしれねぇ。 けれどもヱリカはそんな女とはちがう。 少し意地っ張りで皮肉屋なところはあるが、とてもいい子だ。 なのにその彼女にこうまでしちまうのは、俺の心の奥底にヱリカへの深い憎しみでも眠っているのでは……? そう考えちまうことが一度や二度じゃなかったってわけさ。 ――あと、あらかじめ言っておく。 これは別に言い訳なんかじゃねえんだが。 ヱリカの奴は別に俺がこうすることをかまわないと言ってくれている。 俺がそういう性癖持ちであることを理解してくれている、ということだ。 それどころか俺が気持ちよくなれるならむしろもとシテ欲しいとまで言い切っている。 彼女も心の奥底ではマゾ的な願望があるのかもしれないな。 ……まあ、だからといってシテいいことにはならねぇが。 女を乱暴に扱う男なんざ俺が一番嫌いなタイプだ。 どの口が言ってんだって話だが……。 俺は自分の中に眠るもう一人の自分に嫌気がさしながら、ヱリカの口の奥におもいきり欲望をブチ撒けていった。 ドビュッ!ドクドクドクドクンッッッ!!! 「んんッッッ!!! ん、ん……んんん……!」 俺は苦しがるヱリカの頭を抑えながら射精を始めていく。 そして最後の一滴までを彼女の口の中へときっちり吐き出していった。 ペニスをビクビクと震わせながら最後までを搾り出していくと、唇からチュポンとそれを引き抜きヱリカの顔をこちらへと向けさせる。 「……全部、口の中に入ってるか?」 「ん…………」 俺の問いかけにヱリカがコクンとうなずく。 小動物のように言うことを聞く彼女に自らの雄が喜びの声をあげているのがわかる。 「そうか。 じゃあそのまま口開けろ。 こぼすなよ……」 「ふぁ、ふぁい……んあぁぁぁ……」 ヱリカが口をあ~んと開けていく。 中の精液が漏れないよう、両の手のひらをあごの下に受け皿にしていくのももはや手馴れたものだ。 すると彼女の口の中に、真っ白な獣液がタプタプと満たされているのがよく見えた。 それはかなりの量だったのか、口を開けた拍子に少しだけが端からドロリとこぼれ落ちる。 「……こぼすなって言っただろ」 「ご、ごめんなひゃい……」 俺はその零れた精液をツツっと指ですくうと、わざわざ彼女の口に戻してやる。 そしてそのまま人差し指を口の中へと送り込むと、ヱリカの口の中に溜まっている精液を舌に塗りたくるようにヌチョヌチョと這わせてやる。 それは例えるなら、オスとしての匂いをヱリカの口の中に染み付けていく行為。 こうすることで俺の中にある黒い欲望は更に喜びの声をあげていき、射精したばかりのペニスがムクムクと欲望をもたげていくのがわかった。 グチュ、グチュゥ……ヌチュッ……。 「ん……んぅぅ、ぁ、ぁ、ぁ……」 「……苦いか?」 「はい……す、すごく、にがいです……」 それはそうだろう。 精液なんざ飲んだことはないが、けっして美味いものではないのは容易に想像できる。 ましてや俺が重点的に精液を塗りつけているのは舌の奥の方。 舌が一番苦味を感じる部分だ。 つまりヱリカは今精液の苦味を存分に舌に味わってるってわけだ。 ――たまらねぇな。 「あぁ……あ、あ、あ……」 そうして俺はあらかたヱリカの舌に精液を塗りつけていくと、スっと指を引き抜いていく。 もちろんその指も舌で舐め取らせるのを忘れない。 ヱリカは恍惚とまでいえる表情で俺の指をピチャピチャと綺麗にしていくと、そのままゆっくりと口を閉じた。 「……飲め。 残すなよ」 「は、はい………んっ、んっ、んっ……」 ゴクンとヱリカの喉が上下する。 そしてすぐに何度も何度も喉の上下運動が繰り返されていくと、俺の黒い愉悦を満たしていった。 濃すぎるため喉にひっかかるのか苦労していたようだが、やがて全てをゴクンと飲み干していくと――俺のことを恨めしいような顔で見つめてくる。 「……あいかわらず乱暴ですね。 女性に何か怨みでもあるんですか……」 「…………さあな。 あるとしたらそれは女にじゃなく、おまえに、じゃねえか」 「…………………」 ヱリカは俺の言葉がショックだったのかそのまま押し黙ってしまう。 半ば冗談で言ったことだったんだが、思いのほかそのセリフが自分の中でやたらとしっくりくるのがわかった。  もしかして、俺は本当に彼女に怨みでも抱いているのか……? 「…………ッ。 つ、次はどうすればいいですか?」 俺がそう頭の中で疑念を抱いていくと、それが聞こえたかのようにヱリカが慌てて語りかけてくる。 その態度が少し気にはなったが――今はこの下半身の欲を早く彼女の中で満たしたい。 俺は掴んでいたヱリカのツインテールをグイっと引っ張ると、彼女の身体をソファーの前の床へと放り投げた。 「きゃっ! い、痛ッ……」 ヱリカの身体が埃の積もった床にゴミのように転がっていく。 さきほど手当てした膝に触ったようだが、今の俺にはどうでもいいことだ。 転がった拍子にドレススカートの中から真っ白な両脚があらわになる――俺はゴクリと生唾を飲み込んだ。 「そういえば、さっき欲しいって言ってたな。 じゃあそのまま足開け、ヱリカ」 ヱリカの生脚が俺を挑発する。 そういえばさっき手当てしてやった時にもドキリとしてたのを思い出した。 どうせならあの時押し倒して犯っちまえばよかったな……。 ヱリカは俺のことを上目遣いに見ていくと、ゆっくりとその美味そうな両脚を開いていった……。 「こ、こうでいいですか……戦人さん」 顔を真っ赤にするヱリカ――目を背けながらのオズオズとした開脚がなかなかそそられる。 まあ、どうせこれも計算だろうが。 そうしてスカートがゆっくり開かれていくと、可愛らしい下着が見えてきた。 ピンクのそれがまた加虐心を煽り、気づくと俺はヱリカの身体にガバッと覆いかぶさっていた。 「あっ!……ん、んん……」 「あいかわらずマゾだな、おまえ。 俺に犯されるの待ってたのか?」 「は……い、ん、んんっ!」 首筋にピチャリと舌を這わせてやる。 続けて耳元でそう囁いてやると、ヱリカはゾクゾクと身体を震わせた。 更に右手で右の乳房を掴んでいく。 ドレスの上からじゃ大して大きくないそれは柔らさはさほど感じられないが、グニグニとした感触くらいは手のひらで楽しめた。 そして空いた左手では下半身へと手を伸ばし、彼女のピンク色の下着を脱がしにかかる。 「あ……ま、待って、待ってください……」 ヱリカがめずらしく拒絶する。 けれど俺はそれすらも俺を興奮させるための演技だと好意的に解釈していく。 下着の横のラインに親指をクイっとひっかけると、それをズルリと下まで降ろしてしまう。 「脱がさなきゃできねえだろ。 下着の横からねじ込むのはさすがに飽きたしな」 ヱリカの長い両脚の上をスルリと滑らせ、必要の無い布をつま先から抜き取っていく。 犯されていることを自覚させるため、片足に引っ掛けたままにしてやることにした。 そして我慢の効かなくなった俺はすぐさま彼女の両脚はガバっと開き、その間に自分の身体を割り込ませる。 ……涙目になっているヱリカの顔がそこにあった。 「……い、入れるんですか」 「ああ、このまま捻じ入れてやるよ。 どうせもう濡れてんだろ? そうでなくても入れちまうけどな」 「……乱暴ですね。 レイプですよ、これ…………あっ!!!」 ヱリカの口から悲鳴とも喘ぎともつかない声が漏れる。 俺は有無を言わさず割れ目にペニスを突き入れていた。 そうしたら案の定、ソレはヌルリと膣内を通り奥にまでグチュリと入ってしまう。 やはりすでにフェラをした時に濡らしまくっていたのか、その濡れ具合がこのセックスが強姦ではなく和姦だと教えてくれていた。 俺はそのまま動いていく。 腰をグッグッと前後させ、ヱリカの膣をおもいきり乱暴に突きまくっていく。 「あっ! ぁ、ぁ、ぁ、あっ……!」 途端、目の前のヱリカの顔が口をパックリと開けただらしないものへ変化していく。 涙目になりながらのその甘い表情は、どこからどう見ても快感に喜んでいる女のアヘ顔だ。 おまけにペニスを突き入れた膣口はクチュックチュッと淫らな音をさせていて、それが肉と肉が絡み合う様をよく表していた。 「あっ!あっ!あっ! 戦人さん……ばとらさん、あっ……!」 「く……す、すげぇ……」 ヱリカの喘ぎ声を興奮の増幅剤にしつつ、俺はあいかわらずの膣の気持ちよさにおもわず呻く。 ――最高だ。 あいかわらずヱリカの膣の中は最高の感触だった。 ペニスの根元が膣口にギュウゥゥと締め付けられる。 それは俺のことを離したくないという本能の表れか。 ペニスの中ほどはウネウネと蠢く膣壁に絡め取られ、竿全体を刺激するように快感を煽ってくる。 まるで生き物のように。 そしてペニスの先端。 そこでは子宮の入り口がチュウゥゥと吸い付いてくるように亀頭を飲み込もうとしており、薄っすらと子種の混ざる先走り汁が間違いなく子供が出来る器官へと送り込まれていた。 ――とてもニンゲンの構造をした膣とは思えない。 それこそヱリカの身体は俺にとって魔女そのものだった。 「ん……ああ、い、いい……ば、戦人さん……」 身体を激しく前後に揺らされながら、ヱリカが俺の名を呼んでいく。 すると目の前に真っ赤な舌がヌラリと突き出されてきた。 キスをねだっているんだろう。 さっきはレイプだなんだと言っていたくせに、彼女も彼女でこうされるのが大好きなことを俺は知っていた。 望みどおりそれに舌を絡めていってやる。 唇よりも先に舌を望んでくるとは、なんとも淫らなヱリカらしかった。 「はぁ……ん、ん、ん……♪」 愛する者の舌を確保すると、ヱリカはそのまま俺の頭に両手を回し抱きしめてくる。 女って奴はどうしてこんなにもキスが好きなんだろうな。 だから俺も腰をグイグイと動かしてやる。 男はこちらの方が好きなのだからギブアンドテイクってやつだ。 上ではピチャピチャと舌肉が絡み合い、下では肉と穴がグチュグチュと擦りあう。 まさしく俺とヱリカの望みが合致していた。 「はぁ、あ、んっ、んっ、んっ……んんっ!」 「…………くっ!」 ゾクゾクっと背筋に痺れが走る。 ヱリカの舌に何か甘い液体を感じた瞬間、ペニスが急激に射精を始めていた。 「あっ! ば、戦人さん……な、中に……」 ヱリカの愛おしげな瞳が俺を見つめる。 それには子種を注ぎ込んでもらえることへの幸福感が満ちていた。 ドクリドクリドクリ……。 どうやっても止められない液体が、そのまま彼女の子宮の中へと流れ込んでいく。 「く……エ、ヱリカ……うっ!」 中出しは男にとって最高の快楽――そんなことを昔悪友の誰かが言っていた気がする。 その時は、おいおい子供が出来ちまったらどうすんだよ?なんて呆れて聞いていたもんだが……。 今ならそいつの言っていたことがよくわかる。 たしかにこんなきもちのいいもんを知っちまったら、妊娠なんて気にせず出しちまうのもわからないでもなかった。 ましてや俺とヱリカは夫婦なんだ。 幸い経済的にも育てられるだけの潤いはある。 そろそろ作ってもいい頃かもしれない。 ――なのに、なんでだろうな。 なんで俺はいつもいつも、こうしてヱリカの子宮に種を送り込むことに激しい背徳感を憶えちまうんだろうか……。 「ふぁ、ぁ……あ、熱い……」 ヱリカは俺の精液を中で感じていくと、自分のお腹を愛おしそうに擦っていく。 まるでもうそこに新たな命が生まれているかのように。 俺は徐々に膣の中で脈動を止めていくペニスを感じながら、彼女の満足そうな顔をいつまでも見続けていった……。 &counter(today) &counter() ---- #comment_num2 ----

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