「~約束~」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

~約束~」(2010/03/29 (月) 23:12:46) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

part23 >>495 ---- 「では、行ってきますね、戦人さん!」 「うー、行ってきます」 ベアトリーチェと真里亞、二人の背中が黄金郷の薔薇園の中を遠ざかっていくのを、戦人は見送った。 女同士で小旅行へ行くのだという。 結婚して半年あまり。 おずおずと真里亞との旅行の話を切り出したベアトリーチェに、 あまり束縛ばかりしているのも良くないかな、と思った戦人は笑顔で頷いてやったのだ。 親友である真里亞と笑い合って出掛けてゆく妻を見て、戦人は嬉しいような少し寂しいような笑顔を浮かべて、 「右代宮戦人ぁぁああ、覚悟ぉ!」 「あ痛ぁっ!」 背後から後頭部を殴られて気絶した。  ――― 戦人が目を覚ますと、目の前にベアトリーチェの顔があった。 髪を下ろして、ブレザーを着込んでいる。姉の方のベアトリーチェだ。 戦人を見下ろして、にやにやと笑っていた。 「ようやくお目覚めかぁ、右代宮戦人」 頭がずきずきと痛む。 そばにはベアトリーチェがいつも持っている杖が転がっていた。 さっき不意打ちで殴り倒したのはどうやらこいつらしい、と考えて、戦人は顔をしかめた。 起き上がろうとすると、ベアトリーチェがどっかりと戦人の腹の上にまたがった。 その上、後ろ手に縛られていて起き上がれない。 きょろり、と見回すと、どうやら戦人がゲームマスターとして仕事をしている書斎の床に転がされているらしい、と解った。 「何の用だ」 低い声で問うと、ベアトリーチェはますます笑った。 「薄々は解っておるのではないか……?」 ベアトリーチェの手が伸びて、戦人のマントの留め具をはずした。 ジャケットの前をはずされて、ネクタイもほどかれる。 「おい、やめろ……!」 戦人は軽く身を捩って抵抗したが、ベアトリーチェは太ももで戦人の身体をしっかりとはさんで押さえ込んだ。 後ろ手に縛られて仰向けに床に転がされた戦人には、満足な抵抗もできなかった。 シャツのボタンがはずされる。 冷たい手でするり、と肌を撫でられて、戦人はぞくりとした感覚に身をすくめた。 相手は女だ。力いっぱい抵抗すれば逃げられるかもしれない。 だが、逃げてもすぐにまた杖で殴られて昏倒させられるだろう。 魔法で逃げても追ってくるかもしれない。なにか、もっと別の方法で逃げなければ。 戦人は頭の中でチェス盤をひっくり返し、慎重に言葉を選んだ。 「……お前は妹思いの姉だと思ってたぜ」 ぴくり、とベアトリーチェの肩が跳ねた。成功した、と戦人は唇の端を小さく上げた。 「こんなこと、ベアトが知ったら泣くぜ?」 この姉は、普段から妹を猫かわいがりしているのだ。 その留守に夫を掠め取るような真似をして、罪悪感が全く無いわけがない。 そこを攻めれば上手く逃げられるかもしれない、と思った戦人の腹に、ぽたりと雫が落ちた。 見下ろすベアトリーチェの青い目に、涙がにじんでいた。 「……なんで、お前が泣くんだよ」 こんなことをされても、戦人は女の涙に弱い。たじろぐのを悟られまい、と思っても、声が上ずった。 ベアトリーチェが、ぐすん、と啜り泣いた。 「なんでもない……」 「なんでもなくはないだろ。どうしたんだよ、お前」 戦人は上半身を軽くひねって、腹筋を使って半身を起こした。 ベアトリーチェをひざに乗せ、向かい合って座る格好になった。 戦人が顔を覗き込むと、ベアトリーチェは唇を震わせて、涙声を出した。 「……一度だけでよい」 「何……」 「抱いてほしい」 真剣そうな目で見つめられて、戦人は言葉に詰まった。 脱がされかけた段階で、そういうつもりだろうとは思った。 だが、悪戯のつもりでからかっているのだろう、ふざけているだけだろう、と思った。 この涙だって、演技なのかもしれない。 戦人を騙して遊んでいるだけなのでは、と思ったが、ベアトリーチェは更に言い募った。 「妹を裏切るつもりはない。そんなことはできぬ……だが、もう我慢できぬのだ……!」 叫ぶように言って、ベアトリーチェが更に泣く。 演技には見えなかった。心底辛そうに泣いて、ベアトリーチェは戦人に縋り付いた。 「初めはそんなつもりは無かったのだ! だが、妹と一緒にいるそなたを見ていて、その……」 いつも妹と楽しそうに過ごしているのを見ていた、とベアトリーチェは言う。 初めは、可愛い妹を取られたような気分だった。 それが気に入らなくて、隙あらばちょっかいを出してやろう、と思って様子をうかがっていた。 物陰からこっそりと、妹の夫を視線で追う毎日。 そうしているうちに、だんだんと戦人のことが気になるようになった。 寝ても覚めても、戦人のことばかり考えてしまう。 相手は妹の夫なのだから、と思っても、一度芽生えた恋心は止められなかった。 ちょっかいを出してやろう、という気持ちが無くなっても、視線は戦人を追ってしまう。 つい、目が戦人を探してしまうのだ。 だが、可愛い妹から男を寝取るなど、ベアトリーチェにはできない。 あきらめるしかない、と我慢を続けた。何ヶ月も。 それももう限界だ。だから、一度だけでいい。想いをとげさせてくれたら、それであきらめがつく。 「頼む……」 ベアトリーチェは秘めていた思いを打ち明けて泣いた。 「…………」 戦人は黙り込む。 相手は妻の姉だ。そうでなくても、自分は結婚している身で、他の女を抱けばベアトへの裏切りになる。 そんなことは、できない。 断ろうとして口を開きかけた戦人の唇を、ベアトリーチェがふさいだ。 「んっ……」 頭を抱き込まれて、無理矢理口付けられる。 ふりほどこうとしても、ベアトリーチェがはなさなかった。 舌を絡められて吸われる。唇が離れると、だらりとだらしなく唾液が垂れた。 「頼む……一度だけ、一度だけでいいのだ……誰にも言わぬし、忘れてくれてよい……」 せっぱつまった涙声で言われて、戦人は目を逸らした。 今、戦人が突き放したら、ベアトリーチェはどれだけ傷つくだろう。 何ヶ月も誰にも相談できず、思いを秘めてきたというのだ。辛かっただろう。 妹が出掛けた今日という日が、最後のチャンスに思えたに違いない。 必死で戦人に思いを伝えたのだ。 それを戦人が無碍にしてしまったら、ベアトリーチェは更に泣くに違いない。 戦人は一度だけ目を閉じた。ふーっと息を吐き出して、縛られた腕を魔法で解いた。 自由になった手で、ベアトリーチェの髪を撫でた。 「……一度だけ、だからな」 「戦人……っ」 ベアトリーチェの目が潤む。 どちらからともなくキスをして、むさぼるように唇を啄み合った。 「んっ……ふ、ぅ」 「は……ベアト」 なんだか奇妙な気持ちだった。相手は妻以外の女なのに、妻と同じ顔、同じ名前の女だ。 服の上から胸に触ってみると、体つきも全く同じらしい。 ピンクのネクタイを解いて服を脱がせると、大きなおっぱいが露わになった。 見た目も妻と変わらない。 戦人は軽く頭を振った。比べるのはやめよう。 戦人はベアトリーチェを抱いて、床に寝かせた。 ベアトリーチェの青い目が、期待のこもった恍惚の目で見上げる。 先に下着を脱がせようか、と思ったが、少し意地の悪いことを思い付いて、下着はそのままにして、乳首に噛みついた。 「あっ……!」 ベアトリーチェの身体が、びくん、と跳ねた。 つん、ととがった乳首を舐めて舌先で転がすと、ベアトリーチェはいやいやをするように首を振って身悶えた。 もう片方の乳首を指先で摘み、くりくりといじってやった。 「ん……あぁんっ……いやぁ……っ」 いつもの居丈高な態度をすっかりくずして、ベアトリーチェは甘い声で喘いだ。 頬を染めて、きゅうっと目を閉じている。 六軒島の伝説の魔女、というよりは、普通の可愛い女の子のようだった。 ベアトリーチェはもじもじとひざを摺り合わせていた。刺激が足りないらしい。 戦人は少し笑って、下着の上からベアトリーチェの秘所に触れた。 「もう濡れてるぜ」 「っ……」 下着越しでも解るほど、そこはもう濡れきっていた。布の上から触っても、ぬるぬるとしている。 その感触をベアトリーチェにも解らせるように、戦人は指先でそこを縦に何度もなぞった。 「ほら、こんなにべとべとだぜ」 「くっ……言うなっ」 ベアトリーチェが真っ赤になって怒るのを、戦人はにやにやと笑って見下ろした。 恥ずかしそうにして、ベアトリーチェは脱いでしまおうと下着に手を掛けた。 それを戦人が止める。 「まだダメだ」 「何故……?」 戦人は意地悪くにやりと笑って、ベアトリーチェの脚を掴んでおもいきり開かせた。 「あっ……」 恥ずかしがるベアトリーチェの脚の間に顔を近付けて、戦人は軽く匂いを嗅いだ。 こういうとき特有の、女の匂いがした。 匂いを堪能してから、下着の上からそこを舐める。 「ひ、ぁ」 ベアトリーチェが、びくんと体をすくませるのに構わず、戦人は布の上から唾液を染み込ませて、舌でそこを擦った。 自分の唾液と、ベアトリーチェの愛液でぬるぬるとしている。 舌の先でクリストスを探り当てて、つついた。 「あぁあっ……!」 びくん、とベアトリーチェの腰が跳ねた。 「……もうイったのか、早いな」 戦人は顔を上げて、はぁはぁと粗い息をするベアトリーチェを見下ろした。 ベアトリーチェはとろんとした目をして、ぼうっと戦人を見上げていた。 「ちょっと腰を浮かせてくれ」 「ん……」 イったばかりでぼんやりとしているベアトリーチェは、素直に頷いて戦人の言うことに従った。 戦人がベアトリーチェの下着を脱がせる。 イったせいで下着の中は更に濡れていた。 赤く充血した秘所と脱がせた下着の間で、ねっとりと透明な液体が糸を引いた。 「濡れすぎだぜ。ほら、見てみるか?」 ベアトリーチェは恥ずかしそうにおもいきり首を振った。 戦人はにやにやと笑って、下着を掲げて見せた。汗と愛液でぐっしょりと濡れている。 とろーり、と愛液が下着からこぼれ落ちて、床に一滴落ちた。 それを見てしまったベアトリーチェが、更に赤くなる。 戦人は嬉しそうにくくっと笑って、下着を放り出した。 自分のベルトをはずして、ズボンのジッパーを下ろした。 痛いくらいに張りつめて硬くなったモノが出てきた。 ベアトリーチェの淫靡な痴態を見て、もうずっと硬くなっていたのだ。 それをベアトリーチェに見せつけるように、軽く手で扱いた。 ベアトリーチェの目がそれに釘付けになっている。 ぽうっとした表情をしているくせに、目だけはしっかりとそれを見つめていた。 欲しくてたまらないのだろう。 戦人はまた、ベアトリーチェの脚を掴んで大きく開かせた。 「あ……戦人ぁ……っ」 待ちきれない、というようにベアトリーチェが甘い声で呼んだ。 ごくり、と喉を鳴らして戦人は自分のモノをベアトリーチェの濡れきったところへ押し当てたが、まだ入れない。 赤く充血して熟れた秘所に、ぬるぬると擦り付けた。 「あ、ぁ、焦らすでない……!」 挿れてほしくてたまらないくせに、ベアトリーチェはこんなときでも偉そうな口をきく。 ねだるような物欲しそうな目で戦人を見上げて、催促していた。 もっと焦らして、「挿れてほしい」と言わせてもいいな、と思ったが、戦人の方もそろそろ限界だった。 体勢を変えてベアトリーチェにのし掛かる。 体重をかけて、一気にベアトリーチェの蜜壺の中へ突き入れた。 ベアトリーチェが嬉しそうによがって声を上げた。 「あぁあっ……ん……!」 「くっ……」 中は溶けそうなほど熱くて、濡れすぎなほどぬるぬるとしているくせに、ぎゅうぎゅうとキツく締め上げる。 戦人が腰を浮かせて軽く引き抜こうとするのを、柔肉が絡み付いて出て行かせまいとする。 ゆっくりと引き抜いて、またずっぷりと押し込んだ。 「はぁんっ……あぁ、戦人ぁ」 亀頭で膣の奥をぐりぐりと突いて刺激する。 ベアトリーチェは嬉しそうな甘い声で喘いで、戦人の首に腕を回した。 脚も戦人の腰に絡めて、離すまいとする。 「……こら、脚絡めてたら、イくときに抜けないだろ」 そうすると必然的に中に出すことになってしまう。 さすがにそれはヤバいだろう。 戦人が言うと、ベアトリーチェは感じきってとろんとした顔で首を振った。 「今日は大丈夫なのだ……だから……」 ぎゅうっと中が締まる。中に欲しい、と体が言っているのだ。 「……本当に大丈夫、なんだろうな?」 「うむ……だから、頼む……」 一瞬だけ、妻の顔が頭の中をよぎったが、戦人は無理矢理に意識の中からそれを追い出した。 一度だけ抱いてやる、と決めたのだ。今更迷っていられない。 戦人はベアトリーチェの両肩を掴んで、腰を振った。 「あ、あ、あんっ……あっ」 リズムをつけて往復させる。柔らかい肉の奥を突き上げるたびに、ベアトリーチェが甘い声を出した。 熱くてよく締まって気持ちが良い。 戦人は突くペースを上げて、少し乱暴に腰を振った。 ベアトリーチェが更によがる。赤くなった顔でぎゅっと目を閉じていた。 「あぁ、いい、いいっ……戦人……!」 「くっ……あ、そろそろ、出る……!」 「よいぞ、あ、ぁ……中に……っ」 ぐうっと強く奥にねじ込んで、戦人は射精した。 勢いよく、ベアトリーチェの腹の中を白くよごしてゆくのが、見えなくても解る気がした。 「あぁあっ……!」 中に出されたベアトリーチェも、びくびくと体を跳ねさせて大声を上げた。 「……っは、ぁ」 最後まで出しきって、戦人はずるりと自身を引き抜いた。 「んんっ……」 ベアトリーチェがまた少し体を震えさせた。 充血したベアトリーチェの秘所から、とろん、と白濁液が少し零れた。 戦人は床の上に寝転がって、ベアトリーチェを抱き締めた。 「……戦人」 ベアトリーチェが泣き出しそうな潤んだ目で見つめていた。 長い間秘密にし続けて、あきらめなければいけない、と思っていた相手と添い遂げたのだ。 だが、今回の一度きりという約束だ。嬉しくもあり、悲しくもあった。 戦人の方も、妻への罪悪感と一緒に、妻の姉をかわいそうに思っていた。 すぐ近くに好きな男がいるのに、あきらめなければいけなくて、我慢しているベアトリーチェが、いじましく思えたのだ。 「……でも、この一回きりにしなきゃな」 「うむ……今回だけ、だ」 こうして二人が抱き合うことは二度と無いのだ。 それなら、今だけは、と戦人もベアトリーチェも同じように思って、床の上で強く抱き合った。  ――― 「これ、お土産です。こっちは戦人さんにで、こっちはお姉様の分です!」 「ああ、ありがとう」 「ありがたくいただくぞ」 旅行から帰宅して、嬉しそうにお土産を配る妻を見て、戦人はちくちくと胸を刺される気がしたが、上手く笑って見せた。 その隣で、姉の方もにこにこと笑っている。 「……旅行、楽しかったか?」 「はい、とっても楽しかったです!」 もしも……、と戦人は思った。 妻がこうして笑っていてくれて、……姉の方も笑って過ごせて、自分も楽しければ、それが一番いいことなんじゃねぇか? 「次は妾も一緒に行きたいものだの」 「あ、それは楽しそうですね」 誰か一人が泣くことはないのではないか。 全員が笑っていられたら一番いいのではないか。 姉妹が仲良く笑い合うのを見て、戦人はそんなふうに思った。 (終) - バト姉おいしいです^q^ -- 名無しさん (2010-03-07 13:23:02) - この一回きりの行為でデキてしまったベア姉……おいしいです^q^ -- 名無しさん (2010-03-21 15:58:05) ---- #comment_num2 ----
part23 >>495 ---- 「では、行ってきますね、戦人さん!」 「うー、行ってきます」 ベアトリーチェと真里亞、二人の背中が黄金郷の薔薇園の中を遠ざかっていくのを、戦人は見送った。 女同士で小旅行へ行くのだという。 結婚して半年あまり。 おずおずと真里亞との旅行の話を切り出したベアトリーチェに、 あまり束縛ばかりしているのも良くないかな、と思った戦人は笑顔で頷いてやったのだ。 親友である真里亞と笑い合って出掛けてゆく妻を見て、戦人は嬉しいような少し寂しいような笑顔を浮かべて、 「右代宮戦人ぁぁああ、覚悟ぉ!」 「あ痛ぁっ!」 背後から後頭部を殴られて気絶した。  ――― 戦人が目を覚ますと、目の前にベアトリーチェの顔があった。 髪を下ろして、ブレザーを着込んでいる。姉の方のベアトリーチェだ。 戦人を見下ろして、にやにやと笑っていた。 「ようやくお目覚めかぁ、右代宮戦人」 頭がずきずきと痛む。 そばにはベアトリーチェがいつも持っている杖が転がっていた。 さっき不意打ちで殴り倒したのはどうやらこいつらしい、と考えて、戦人は顔をしかめた。 起き上がろうとすると、ベアトリーチェがどっかりと戦人の腹の上にまたがった。 その上、後ろ手に縛られていて起き上がれない。 きょろり、と見回すと、どうやら戦人がゲームマスターとして仕事をしている書斎の床に転がされているらしい、と解った。 「何の用だ」 低い声で問うと、ベアトリーチェはますます笑った。 「薄々は解っておるのではないか……?」 ベアトリーチェの手が伸びて、戦人のマントの留め具をはずした。 ジャケットの前をはずされて、ネクタイもほどかれる。 「おい、やめろ……!」 戦人は軽く身を捩って抵抗したが、ベアトリーチェは太ももで戦人の身体をしっかりとはさんで押さえ込んだ。 後ろ手に縛られて仰向けに床に転がされた戦人には、満足な抵抗もできなかった。 シャツのボタンがはずされる。 冷たい手でするり、と肌を撫でられて、戦人はぞくりとした感覚に身をすくめた。 相手は女だ。力いっぱい抵抗すれば逃げられるかもしれない。 だが、逃げてもすぐにまた杖で殴られて昏倒させられるだろう。 魔法で逃げても追ってくるかもしれない。なにか、もっと別の方法で逃げなければ。 戦人は頭の中でチェス盤をひっくり返し、慎重に言葉を選んだ。 「……お前は妹思いの姉だと思ってたぜ」 ぴくり、とベアトリーチェの肩が跳ねた。成功した、と戦人は唇の端を小さく上げた。 「こんなこと、ベアトが知ったら泣くぜ?」 この姉は、普段から妹を猫かわいがりしているのだ。 その留守に夫を掠め取るような真似をして、罪悪感が全く無いわけがない。 そこを攻めれば上手く逃げられるかもしれない、と思った戦人の腹に、ぽたりと雫が落ちた。 見下ろすベアトリーチェの青い目に、涙がにじんでいた。 「……なんで、お前が泣くんだよ」 こんなことをされても、戦人は女の涙に弱い。たじろぐのを悟られまい、と思っても、声が上ずった。 ベアトリーチェが、ぐすん、と啜り泣いた。 「なんでもない……」 「なんでもなくはないだろ。どうしたんだよ、お前」 戦人は上半身を軽くひねって、腹筋を使って半身を起こした。 ベアトリーチェをひざに乗せ、向かい合って座る格好になった。 戦人が顔を覗き込むと、ベアトリーチェは唇を震わせて、涙声を出した。 「……一度だけでよい」 「何……」 「抱いてほしい」 真剣そうな目で見つめられて、戦人は言葉に詰まった。 脱がされかけた段階で、そういうつもりだろうとは思った。 だが、悪戯のつもりでからかっているのだろう、ふざけているだけだろう、と思った。 この涙だって、演技なのかもしれない。 戦人を騙して遊んでいるだけなのでは、と思ったが、ベアトリーチェは更に言い募った。 「妹を裏切るつもりはない。そんなことはできぬ……だが、もう我慢できぬのだ……!」 叫ぶように言って、ベアトリーチェが更に泣く。 演技には見えなかった。心底辛そうに泣いて、ベアトリーチェは戦人に縋り付いた。 「初めはそんなつもりは無かったのだ! だが、妹と一緒にいるそなたを見ていて、その……」 いつも妹と楽しそうに過ごしているのを見ていた、とベアトリーチェは言う。 初めは、可愛い妹を取られたような気分だった。 それが気に入らなくて、隙あらばちょっかいを出してやろう、と思って様子をうかがっていた。 物陰からこっそりと、妹の夫を視線で追う毎日。 そうしているうちに、だんだんと戦人のことが気になるようになった。 寝ても覚めても、戦人のことばかり考えてしまう。 相手は妹の夫なのだから、と思っても、一度芽生えた恋心は止められなかった。 ちょっかいを出してやろう、という気持ちが無くなっても、視線は戦人を追ってしまう。 つい、目が戦人を探してしまうのだ。 だが、可愛い妹から男を寝取るなど、ベアトリーチェにはできない。 あきらめるしかない、と我慢を続けた。何ヶ月も。 それももう限界だ。だから、一度だけでいい。想いをとげさせてくれたら、それであきらめがつく。 「頼む……」 ベアトリーチェは秘めていた思いを打ち明けて泣いた。 「…………」 戦人は黙り込む。 相手は妻の姉だ。そうでなくても、自分は結婚している身で、他の女を抱けばベアトへの裏切りになる。 そんなことは、できない。 断ろうとして口を開きかけた戦人の唇を、ベアトリーチェがふさいだ。 「んっ……」 頭を抱き込まれて、無理矢理口付けられる。 ふりほどこうとしても、ベアトリーチェがはなさなかった。 舌を絡められて吸われる。唇が離れると、だらりとだらしなく唾液が垂れた。 「頼む……一度だけ、一度だけでいいのだ……誰にも言わぬし、忘れてくれてよい……」 せっぱつまった涙声で言われて、戦人は目を逸らした。 今、戦人が突き放したら、ベアトリーチェはどれだけ傷つくだろう。 何ヶ月も誰にも相談できず、思いを秘めてきたというのだ。辛かっただろう。 妹が出掛けた今日という日が、最後のチャンスに思えたに違いない。 必死で戦人に思いを伝えたのだ。 それを戦人が無碍にしてしまったら、ベアトリーチェは更に泣くに違いない。 戦人は一度だけ目を閉じた。ふーっと息を吐き出して、縛られた腕を魔法で解いた。 自由になった手で、ベアトリーチェの髪を撫でた。 「……一度だけ、だからな」 「戦人……っ」 ベアトリーチェの目が潤む。 どちらからともなくキスをして、むさぼるように唇を啄み合った。 「んっ……ふ、ぅ」 「は……ベアト」 なんだか奇妙な気持ちだった。相手は妻以外の女なのに、妻と同じ顔、同じ名前の女だ。 服の上から胸に触ってみると、体つきも全く同じらしい。 ピンクのネクタイを解いて服を脱がせると、大きなおっぱいが露わになった。 見た目も妻と変わらない。 戦人は軽く頭を振った。比べるのはやめよう。 戦人はベアトリーチェを抱いて、床に寝かせた。 ベアトリーチェの青い目が、期待のこもった恍惚の目で見上げる。 先に下着を脱がせようか、と思ったが、少し意地の悪いことを思い付いて、下着はそのままにして、乳首に噛みついた。 「あっ……!」 ベアトリーチェの身体が、びくん、と跳ねた。 つん、ととがった乳首を舐めて舌先で転がすと、ベアトリーチェはいやいやをするように首を振って身悶えた。 もう片方の乳首を指先で摘み、くりくりといじってやった。 「ん……あぁんっ……いやぁ……っ」 いつもの居丈高な態度をすっかりくずして、ベアトリーチェは甘い声で喘いだ。 頬を染めて、きゅうっと目を閉じている。 六軒島の伝説の魔女、というよりは、普通の可愛い女の子のようだった。 ベアトリーチェはもじもじとひざを摺り合わせていた。刺激が足りないらしい。 戦人は少し笑って、下着の上からベアトリーチェの秘所に触れた。 「もう濡れてるぜ」 「っ……」 下着越しでも解るほど、そこはもう濡れきっていた。布の上から触っても、ぬるぬるとしている。 その感触をベアトリーチェにも解らせるように、戦人は指先でそこを縦に何度もなぞった。 「ほら、こんなにべとべとだぜ」 「くっ……言うなっ」 ベアトリーチェが真っ赤になって怒るのを、戦人はにやにやと笑って見下ろした。 恥ずかしそうにして、ベアトリーチェは脱いでしまおうと下着に手を掛けた。 それを戦人が止める。 「まだダメだ」 「何故……?」 戦人は意地悪くにやりと笑って、ベアトリーチェの脚を掴んでおもいきり開かせた。 「あっ……」 恥ずかしがるベアトリーチェの脚の間に顔を近付けて、戦人は軽く匂いを嗅いだ。 こういうとき特有の、女の匂いがした。 匂いを堪能してから、下着の上からそこを舐める。 「ひ、ぁ」 ベアトリーチェが、びくんと体をすくませるのに構わず、戦人は布の上から唾液を染み込ませて、舌でそこを擦った。 自分の唾液と、ベアトリーチェの愛液でぬるぬるとしている。 舌の先でクリストスを探り当てて、つついた。 「あぁあっ……!」 びくん、とベアトリーチェの腰が跳ねた。 「……もうイったのか、早いな」 戦人は顔を上げて、はぁはぁと粗い息をするベアトリーチェを見下ろした。 ベアトリーチェはとろんとした目をして、ぼうっと戦人を見上げていた。 「ちょっと腰を浮かせてくれ」 「ん……」 イったばかりでぼんやりとしているベアトリーチェは、素直に頷いて戦人の言うことに従った。 戦人がベアトリーチェの下着を脱がせる。 イったせいで下着の中は更に濡れていた。 赤く充血した秘所と脱がせた下着の間で、ねっとりと透明な液体が糸を引いた。 「濡れすぎだぜ。ほら、見てみるか?」 ベアトリーチェは恥ずかしそうにおもいきり首を振った。 戦人はにやにやと笑って、下着を掲げて見せた。汗と愛液でぐっしょりと濡れている。 とろーり、と愛液が下着からこぼれ落ちて、床に一滴落ちた。 それを見てしまったベアトリーチェが、更に赤くなる。 戦人は嬉しそうにくくっと笑って、下着を放り出した。 自分のベルトをはずして、ズボンのジッパーを下ろした。 痛いくらいに張りつめて硬くなったモノが出てきた。 ベアトリーチェの淫靡な痴態を見て、もうずっと硬くなっていたのだ。 それをベアトリーチェに見せつけるように、軽く手で扱いた。 ベアトリーチェの目がそれに釘付けになっている。 ぽうっとした表情をしているくせに、目だけはしっかりとそれを見つめていた。 欲しくてたまらないのだろう。 戦人はまた、ベアトリーチェの脚を掴んで大きく開かせた。 「あ……戦人ぁ……っ」 待ちきれない、というようにベアトリーチェが甘い声で呼んだ。 ごくり、と喉を鳴らして戦人は自分のモノをベアトリーチェの濡れきったところへ押し当てたが、まだ入れない。 赤く充血して熟れた秘所に、ぬるぬると擦り付けた。 「あ、ぁ、焦らすでない……!」 挿れてほしくてたまらないくせに、ベアトリーチェはこんなときでも偉そうな口をきく。 ねだるような物欲しそうな目で戦人を見上げて、催促していた。 もっと焦らして、「挿れてほしい」と言わせてもいいな、と思ったが、戦人の方もそろそろ限界だった。 体勢を変えてベアトリーチェにのし掛かる。 体重をかけて、一気にベアトリーチェの蜜壺の中へ突き入れた。 ベアトリーチェが嬉しそうによがって声を上げた。 「あぁあっ……ん……!」 「くっ……」 中は溶けそうなほど熱くて、濡れすぎなほどぬるぬるとしているくせに、ぎゅうぎゅうとキツく締め上げる。 戦人が腰を浮かせて軽く引き抜こうとするのを、柔肉が絡み付いて出て行かせまいとする。 ゆっくりと引き抜いて、またずっぷりと押し込んだ。 「はぁんっ……あぁ、戦人ぁ」 亀頭で膣の奥をぐりぐりと突いて刺激する。 ベアトリーチェは嬉しそうな甘い声で喘いで、戦人の首に腕を回した。 脚も戦人の腰に絡めて、離すまいとする。 「……こら、脚絡めてたら、イくときに抜けないだろ」 そうすると必然的に中に出すことになってしまう。 さすがにそれはヤバいだろう。 戦人が言うと、ベアトリーチェは感じきってとろんとした顔で首を振った。 「今日は大丈夫なのだ……だから……」 ぎゅうっと中が締まる。中に欲しい、と体が言っているのだ。 「……本当に大丈夫、なんだろうな?」 「うむ……だから、頼む……」 一瞬だけ、妻の顔が頭の中をよぎったが、戦人は無理矢理に意識の中からそれを追い出した。 一度だけ抱いてやる、と決めたのだ。今更迷っていられない。 戦人はベアトリーチェの両肩を掴んで、腰を振った。 「あ、あ、あんっ……あっ」 リズムをつけて往復させる。柔らかい肉の奥を突き上げるたびに、ベアトリーチェが甘い声を出した。 熱くてよく締まって気持ちが良い。 戦人は突くペースを上げて、少し乱暴に腰を振った。 ベアトリーチェが更によがる。赤くなった顔でぎゅっと目を閉じていた。 「あぁ、いい、いいっ……戦人……!」 「くっ……あ、そろそろ、出る……!」 「よいぞ、あ、ぁ……中に……っ」 ぐうっと強く奥にねじ込んで、戦人は射精した。 勢いよく、ベアトリーチェの腹の中を白くよごしてゆくのが、見えなくても解る気がした。 「あぁあっ……!」 中に出されたベアトリーチェも、びくびくと体を跳ねさせて大声を上げた。 「……っは、ぁ」 最後まで出しきって、戦人はずるりと自身を引き抜いた。 「んんっ……」 ベアトリーチェがまた少し体を震えさせた。 充血したベアトリーチェの秘所から、とろん、と白濁液が少し零れた。 戦人は床の上に寝転がって、ベアトリーチェを抱き締めた。 「……戦人」 ベアトリーチェが泣き出しそうな潤んだ目で見つめていた。 長い間秘密にし続けて、あきらめなければいけない、と思っていた相手と添い遂げたのだ。 だが、今回の一度きりという約束だ。嬉しくもあり、悲しくもあった。 戦人の方も、妻への罪悪感と一緒に、妻の姉をかわいそうに思っていた。 すぐ近くに好きな男がいるのに、あきらめなければいけなくて、我慢しているベアトリーチェが、いじましく思えたのだ。 「……でも、この一回きりにしなきゃな」 「うむ……今回だけ、だ」 こうして二人が抱き合うことは二度と無いのだ。 それなら、今だけは、と戦人もベアトリーチェも同じように思って、床の上で強く抱き合った。  ――― 「これ、お土産です。こっちは戦人さんにで、こっちはお姉様の分です!」 「ああ、ありがとう」 「ありがたくいただくぞ」 旅行から帰宅して、嬉しそうにお土産を配る妻を見て、戦人はちくちくと胸を刺される気がしたが、上手く笑って見せた。 その隣で、姉の方もにこにこと笑っている。 「……旅行、楽しかったか?」 「はい、とっても楽しかったです!」 もしも……、と戦人は思った。 妻がこうして笑っていてくれて、……姉の方も笑って過ごせて、自分も楽しければ、それが一番いいことなんじゃねぇか? 「次は妾も一緒に行きたいものだの」 「あ、それは楽しそうですね」 誰か一人が泣くことはないのではないか。 全員が笑っていられたら一番いいのではないか。 姉妹が仲良く笑い合うのを見て、戦人はそんなふうに思った。 (終) ---- - バト姉おいしいです^q^ -- 名無しさん (2010-03-07 13:23:02) - この一回きりの行為でデキてしまったベア姉……おいしいです^q^ -- 名無しさん (2010-03-21 15:58:05) #comment_num2 ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: