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「うー……うぅ、うーっ……ッ!!」 「お嬢様、落ち着いて下さい」  そこには二人のうら若い乙女がいた。 うーうーと喚く少女と、それを宥めるメイド服の娘。 「うううぅ……」 「もう。真里亞様みたいですよ?」  茶化すようにそう口にすると、少女は口を尖らせた。 「う……う、うぜーぜっ」 「はい、それでこそ朱志香様」  いつもの口癖に、メイド――紗音は微笑んだ。 「なんだよう、それ」 「ふふ、ごめんなさい。それで、嘉音君と何かあったんですか?」  彼女が塞ぎこむ原因は、彼女の弟である嘉音にあることは凡そ察しがついていた。 ただ、どうにも話にならなくて詳しくは聞けていなかったのである。 「……ないよ、なんにも。……ないからへこんでるのにぃ」 「あぁ……それはそれは、失礼しました」  傍から見れば、くだらないとも取れる嘆き。 が、彼女達は恋に恋するお年頃。 気になる異性のつれない態度に一喜一憂してしまうのは常だった。 「うう……紗音はいいよなぁ。譲治兄さんとラブラブでよぉ」 「え、い、いえそんな。ラブラブなんて……らぶらぶ……ふわぁ」  否定はしてみても、言葉の響きにときめいてしまう。女の子だもん。 「しゃのーん、ニヤけてるから。顔とろっとろだから」 「あ、あぅ、すみませんっ」  じゅる、と涎を啜り上げる姿ははしたないのだが、朱志香から見ればうらやましい以外の何者でもない。 そして、何かが崩れた。 「うぅうう、この胸か!この胸がええのんかー!」  がばあ、とベッドに押し倒して、その豊かな胸を鷲掴んだ。 「うきゃっ。や、止めて下さいお嬢様っ」 「やだー!兄さんに堪能される前にお持ち帰りぃいい!!」   やたらと興奮してしまった朱志香は暴走してしまった。 こうなっては耐えるしか……いや待て。 「……お嬢様だって随分ご立派じゃあないですか」 「え?……ひぁんっ」  紗音の指が、柔らかく朱志香の胸を滑った。 「あらあら、お可愛らしいことで」  やんわりと身体をずらし、腕を解き、そして体勢を入れ替える。 「しゃ、紗音?あの、えと冗談が過ぎたのは謝るから、あの」 「嘉音君の代わりにはなれませんけど、せめて気を紛らわせるくらいはしませんとね!」 「いや、紗音こっちの話聞いて?」 「私、頑張ります!!」  その手は早速服に掛かる。卒なくボタンを外し、ブラウスやスカート、下着。 自身の身体で朱志香を押さえつけながらも実に手際よく脱がせ、ハンガーに掛けていく。 「ちょ、やだ、恥ずかしいよっ……」 「裸なら見慣れてますよ、どうして恥ずかしいんですか?」  確かに、一緒に風呂に入ったり、目の前で着替えたり……あられもない姿を見られても気にする相手じゃない。 はずだった。 だが、それは入浴や着替えという裸にならねばならない理由があるからで。 だから、今。肌を晒すのはすごくすごく恥ずかしく思えてしまう。 理由もなく、他人に裸体を見られている。そればかりか、その指が、てのひらが、身体へと伸ばされて。 「ふぁ……ぁ、んっ……」  漏れ出た甘い吐息。自分が発したとは思えない声色に、朱志香の顔が名前通りの色に染まった。 「まあ、敏感なんですね」 「ぁう、よ、良く……分かんない……何、これぇ」 「さあ?なんなら嘉音君に聞いてみましょうか」 「っや!やめて……こんな、みっともないの見せらんないっ」 「こんなに可愛らしいのに。ああ、汗が。失礼します」 「ひうっ?や、やめろ馬鹿、やだ」  紗音の舌が、首筋から垂れた汗を舐める。 そして、それを掬い取っても舌は動きを緩めない。 「ん……や、やめてってばぁ」  柔らかなラインを丁寧になぞり、先端を軽く啄む。 短い悲鳴は、触れられた経験のなさ故か。 舌は残念ながら一つしかないから、残った片方は指先で奉仕を。  優しく優しく、マッサージをしている気分で。 「あ……うう……ん」 「本当に敏感なんですね……?くすくす……!」 「んうぅあ、やぁあ。だめ、やあ……っ」  蜂蜜のような朱志香の甘い悲鳴が、部屋を満たす。 「……何してんだよ、姉さんのばか……」  よく聞こえる耳を持つと、色々大変なので仕方ない。 おしまい ---- #comment_num2 ----

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