温泉の泉質は、その温泉が浴用専門か、飲用もできるのか、どんな傷や病気に効能を発揮するのかを判別する上での目安となり、これらの泉質を無視した入浴は湯あたり等、かえって症状を悪化させる恐れがあります。

泉質の分類は昭和54年に11種類から9種類に改定されました。

ただ、昭和54年当時から数十年の歳月を経過しておりますが、まだまだ改定前の11種類の泉質を表記する温泉地が多いのも事実です。(旧表記と新表記の併記が多い様です。)

ここでは、改定前の旧表記を主体に解説します。(現在でも十分に通用するため)



硫黄泉

硫黄泉と言えば、硫黄特有の卵の腐った様な独特な匂いが特徴です。

この匂いが「温泉らしい」と隠れファンが非常に多いのも事実です。

硫黄から出る硫化水素ガスは痰の切れを良くし、硫黄泉は、慢性皮膚病や関節疾患、リューマチ症、動脈硬化に効果がある。

飲用では、慢性便秘や糖尿病に効果があると言われており、良薬は口に苦しとは、まるで硫黄泉を指しているようです。

高齢の方や皮膚が弱い方は、規則正しい入浴を心掛けること。

まれに、皮膚炎や湯あたりを起こす可能性があります。


酸性泉

硫酸や塩酸、ほう酸等の成分を多量に含む温泉。

酸が強いので湯あたりには注意。

殺菌力の強さから水虫や湿疹に効果があります。


重曹泉

新表記をナトリウム炭酸水素塩泉と言う。

重曹主体の温泉で、美人の湯と呼ばれることが多い。

アルカリ泉とも言われますが、入浴中に肌の脂肪や分泌物を落とす作用から、入浴後は肌がすべすべにすることでも有名です。

皮膚病や火傷、切り傷によく効き、飲用では慢性胃炎や糖尿病、痛風、尿道結石に効果があり、吸引すると、喉の炎症や慢性気管支炎の症状を緩和すると言われている。

 

食塩泉

新表記をナトリウム-塩化物泉と言う。

舐めると、海水に似た食塩水の味がします。

保温効果が高く、湯冷めがしにくく、身体の芯まで良く温まります。

強食塩泉と弱食塩泉とがありますが、弱食塩泉は病後の回復や慢性リュ-マチや打ち身、捻挫、手足の冷えの回復に効果があると言われている。

飲用では胃腸病に効能があると言われている。

 

重炭酸土類泉

新表記をカルシウム・マグネシウム炭酸水素塩泉と言う。

無色透明のお湯で、アレルギー疾患、リュ-マチ、慢性皮膚病に効果があると言われている。

飲用は、痛風、尿道結石、膀胱炎、糖尿病に効果があると言われている。

 

炭酸泉

新表記を二酸化炭素泉と言う。

日本には少ない泉質の一つで、炭酸ガスの働きで血行を促進する効果がある。

飲用では、胃液の分泌を盛んにすることから胃腸病に良く効くと言われている。

 

単純泉

含有する成分が極めて薄い温泉を単純泉と言う。

例えば、食塩泉でも石膏泉と同じ成分を含有していても、成分量が少なければ単純泉の分類となります。

成分が薄いことから温泉の効能の即効性は期待できませんが、神経痛や病後の回復のための入浴には効果があります。(健康増進や疲労回復)

飲用では、利尿作用もあり、胃の負担も軽く、軽い胃腸炎には効果があると言われています。

 

鉄泉

緑ばん泉と炭酸鉄泉の2種類に大別される。

緑ばん泉は硫酸鉄、炭酸鉄泉は重炭酸第二鉄が主な主成分です。

鉄分が豊富であることから貧血に効果があり、飲用では直接体内に鉄分を取り込めます。

 

放射能泉

ラドン温泉が代表格として有名。

放射能と聞くと、放射能汚染とか被爆とか深刻な想像をしがちですが、ラドンの場合は湧出したあと大気中に飛散するので健康を害する被爆の心配はありません。

放射能泉は浴用のほか、吸入が効果的で、浴用ではリュ-マチ、神経痛、飲用(吸入)では尿路系の疾患、痛風、糖尿病に効果があると言われている。

過度の入浴は湯あたりを起こすので、規則正しい入浴が必要です。

 

明ばん泉

新表記をアルミニウム硫酸塩泉と言う。

目の湯とも言われ、結膜炎に効果があると言われている。

このほか、慢性皮膚疾患、水虫に効果があり、日本では比較的多い泉質の一つである。

 

硫酸塩泉

新表記を苦味泉と言う。

芒硝泉、石膏泉、正苦味泉の3種類に分類され、傷に良く効くと言われている。

芒硝泉はナトリウム硫酸塩泉と言われ、高血圧や慢性関節炎、傷に効果があり、飲用では肝臓病、糖尿病、痛風、便秘に効果があると言われる。

石膏泉はカルシウムを良く含み、カルシウム硫酸塩泉と言われる。

高血圧やリュ-マチ、打ち身、切り傷、痔、捻挫等に効果があると言われる。

正苦味泉はマグネシウム硫酸塩泉と言われ、高血圧、動脈硬化の予防に効果があると言われる。