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アルバム全曲レビューするスレ (2007)

112 名前:名盤さん[] 投稿日:2007/09/16(日) 18:12:48 ID:dxiZFEh1
(ry)
Radiohead - Hail To The Thief
1. 2 + 2 = 5 ★★★★
アンプにギターを繋ぐ音からスタートする冒頭。
このアルバムのテーマ「バンド演奏回帰」にかけたものだと思われる。
7拍子のただならぬイントロから始まり、曲は四つ打ちサビに回帰。
この静と動は明らかに全盛グランジのそれだが、それを自分ら流に昇華させてるのはさすが。

2. Sit Down Stand Up ★★★★☆
ロック回帰精神も、現代テクノロジーを大黒柱にするこの曲を2曲目に持ってきたことを考えれば、
それほどの決意ではなかったのだろう。それはそのままこのアルバムの統一感の薄さにも繋がっていると思う。
しかし前曲以上に静動を使い分けたこのナンバー自体は見事。後半ではトムが狂ったように「雨しずく」と連呼。
この部分はアルバムのハイライトの一つ。

3. Sail To The Moon ★★★☆
前2曲がレディヘならぬ激しさを見せナンバーであることを考えれば、この小休止は必然か。
しかし色んな意味で「綺麗」な曲だと思う。歌詞もトムには珍しい希望系。

4. Backdrifts ★★★
またしてもテクノロジー曲。
エレクトロにいきたいトム&ジョニーと、ギターとメロディを紡ぎたいエドが、いまいち噛み合わないという「噛み合い」
これがこのアルバムの気質だと思うし、どちらか一方に傾倒してしまっては生まれないものを作っているとは思う。
「バックドリフツ」は駄曲では無いが、これというセールスポイントに欠けるナンバー。やっぱり綺麗だけど

5. Go To Sleep ★★★★
ここでフォークっぽい10拍子の曲が登場。バンド演奏主体だけあって適度なキャッチーさも含有した聞きやすいナンバー。
終盤のクラウトロックもどきの部分で、ライブではジョニーのテクノロジーギターが暴れまくる

113 名前:名盤さん[] 投稿日:2007/09/16(日) 18:40:32 ID:dxiZFEh1
6. Where I End And You Begin ★★★☆
またバンド演奏系。まとまっているのは確かだが、ちょっとアイデアというか奇抜さに欠ける。
悪い曲ではないし、レディヘにとっては10年ぶりぐらいに作った正統派ロックソングだと思えば多少の記念品かも

7. We Suck Young Blood ★★☆
前2曲の「普通さ」を振り切るかのように現れるのは、はっきり言うと出来損ないのピラミッド・ソング、
と言った趣の曲。終盤に2+2=5的な激しい演奏に切り替わるが、ちょっと強引感。

8. Gloaming ★★☆
エレクトロ系。中盤のゲーム効果音みたいなささいな打ち込みがおもしろい。
前作、前々作アルバム的な雰囲気を纏っている曲だが、ちょっと中途半端な感じが強い。
7、8曲目は、アルバム中盤のロックっぽさを振り切りながら次の大傑作曲を引き立たせる繋ぎ、と言ってしまっていいかなぁ。

9. There There ★★★★★
先攻シングル。他のアルバムのシングルカット曲(パラノイド、ピラミッドなど) に比肩できるものを持った傑作曲である。
フロントマンも交えた3人のタムイントロから始まり、There Thereはひたすら高まっていく。3分を超えて一度爆発が起こり、終盤に二度目が。
最後にはきっちり余韻を残しながらも反響音と共に消えていく。
この曲のポイントは、全体のボレロ調的な雰囲気、レディヘとは思えない野性的な反復フレーズ、の二点が生み出す特殊な中毒性だ。
クラウトロックもどきの演奏の上にテナー美声がのる、というレディヘの十八番をきちんと織り込みながらも、その中毒性によって曲はさらに魅力を纏う。
蜘蛛の巣のように絡み合い、歌詞中のセイレーンの歌声を想起させる優しく歪んだギター。これらのアレンジは、
いわゆる名曲の持つ「全てがあるべき場所に収まっている」的なものを満たすものだ。
間違いなくアルバムのハイライトナンバーであり、出来上がった後にトムが号泣したという話もあながち作りではなさそうな気がする。

10. I Will ★★
二分に満たない曲、というのはレディヘでは初めて何じゃないだろうか。
早い話が、ThereThereの余韻をきちんとリスナーに忘れてもらうだけの曲である。

114 名前:名盤さん[] 投稿日:2007/09/16(日) 19:01:28 ID:dxiZFEh1
11. Punch-Up At A Wedding★★☆
耳に残らない曲。それはまだ耳が傑作の余韻を引きずっているから、というだけでは無さそう。
レディヘによくある、まとまっているけど特別良くはないナンバー。

12. Myxomatosis ★★★★
攻撃的なエフェクトベースが暴れる曲。曲名「ミクサマトーシス」の特徴的な語感で韻を踏むトムが印象的。
その二点が強すぎるために見過ごされているが、この曲のフィルのドラムはなかなかの名演。
単調さを振り切りながら曲の良さを引き立てている。

13. Scatterbrain ★★★
全体的に暗い雰囲気が流れるこのアルバムの中では、一番メジャー系コードを使っている曲ではないだろうか。
だからといってメロディーは美しさを失ってはいないし、音の空間も上手く使ったアレンジも映えている。
だが、やはりこの曲も「まとまっているけど耳に残らない」レディヘ特有の「凝った捨て曲」の内の一つという誹りは免れないだろう。

14. Wolf At The Door ★★★★☆
アルバムを締めてくれるのは恐怖童謡的な雰囲気を纏わせた美しいコーラスラインの名曲。
全体的にヒップホップ的な(ってもくどくはない)歌唱で曲が進むものの、サビの盛り上がりでそれらは吹っ切られる。
そこからは曲のハイライトとなるラララコーラスに突入。オーバーダビングを駆使しているのにライブ感を感じるトムのボーカルは、そのカリスマ性を示すのに十二分である。

115 名前:名盤さん[] 投稿日:2007/09/16(日) 19:04:06 ID:dxiZFEh1
総評★★★★
統一感が薄い、捨て曲らしいのがOKコンより多い(というか「繋ぎ」曲か?)と言った嫌いはあるが、悪い作品では無いと思う。
このアルバムはいままで前へ前へと進んできた彼らが初めて後に振り返ったようなものでもあり、そこに批判が集中することが多いが、
作品単位で見れば駄作ではない。ただ、衝撃の面ではいままでのどのアルバムよりも劣るか。

全体的に暗い雰囲気が流れているが、歌詞的に考えれば不満をぶちまけていたベンズ、OKコン、鬱だ氏のうなKID、アムニに比べ、
道筋を指し示すようなものが多く、レベルミュージック的な自信があるだけネガが強くはないのではないか。
次の作品で今度こいつらがどんな世界観を見せてくれるのか、少なくてもそういう希望性は持っているアルバムである。
(ry)