マジコン
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マジコン
とは、テレビゲームのROMイメージをバックアップしたり、またそのバックアップをゲーム機で起動させるための機械の総称である。
概要
語源の由来は、スーパーファミコン用のバックアップツール「マジックコンピューター」。これはフロッピーディスクにデータを移すもので、パソコンによってセーブデータのバックアップを管理したり、同人ゲームのベースに流用したりなどもされた。
主な機能
- ゲームソフトのコピー(バックアップ)及び起動
- 自作プログラムの起動
- 画像表示及び文書表示、音楽・動画の再生
著作権との問題
自身が所有
している著作権の目的となっている著作物について、自身が個人的に、または家庭内およびこれに準ずる目的で複製(バックアップ)する行為は、日本国内では著作権法30条1項(私的使用のための複製、以下「私的複製」と記述)により認められている(ただし、同条同項1号および2号に該当する場合は除く)。ゲームソフトもこの著作権の目的となっている著作物に該当し、そして私的複製も認められる。この私的複製の範囲を超えた目的での複製(著作権者の許諾無く複製を売買したり無償配布するなど)は違法となる。
マジコンはバックアップツールの一種であり、前述の通り限られた範囲内でのバックアップ(私的複製)を目的としてマジコンを売買・所持・使用することについては著作権法違反には当たらない。このため、マジコンそのものには違法性は無いともいえる。
しかし、マジコンは、上記の私的複製の範囲を超えて使用できる。インターネット上ではゲームソフトのバックアップファイルが違法に配布されており、オリジナル(市販されているゲームソフト)を持たずともバックアップファイルを入手することができる。マジコンはオリジナル(市販されているゲームソフト)と何ら変わりないプレイ環境でバックアップを動作させることができるため、違法に配布されている他人の作成したゲームソフトのバックアップファイルをダウンロードし、それをマジコンに入れて起動させれば、市販ソフトを購入せずとも同じ環境下でのプレイが可能となる。そこで、マジコンを売買等すること自体が、著作権法違反の幇助に当たるとされる可能性もある。
マジコンによりこうした違法行為が多発し、ゲームソフトの売り上げ低下に直結するため、ゲームソフト制作会社はマジコンの流通規制を要望している。
直接侵害と寄与侵害
違法配布されているバックアップファイルを入手し、マジコンで起動させる行為を著作権法の立場からいうと、違法コピーを助長して侵害に寄与するという意味で、寄与侵害と呼ばれる。侵害行為には直接侵害、間接侵害、寄与侵害などがあるが、過去の判例でみると著作権法の寄与侵害で原告が勝訴した例は一例もない。このため、著作権法的な立場からマジコンを規制するというのは難しい側面があるとされる。この場合、著作権の直接侵害を行うのは本来個人用としてバックアップされたデータを公衆に頒布できるようにアップロードした利用者である。
不正競争防止法の対象
任天堂などのゲーム会社54社は、不正競争防止法を根拠に提訴した(後述)。
一般的にMODチップと呼ばれるコピープロテクション解除ICチップ等、ゲームにかけられているプロテクトを意図的に解除する装置や道具の販売は、1999年10月の不正競争防止法の改正により違法となっている。このためマジコン内部にゲーム機、あるいはゲームソフトのコピープロテクションを解除する機能
のみ
が備わっていると解釈される場合にはマジコンの売買は日本国内では違法となるため、本訴訟では、マジコンがゲームソフトのコピープロテクションを解除する機能
のみ
が備わったものであるかどうかが最大の争点になる。また、マジコンが解除するという
プロテクション
の対象が著作権法や特許法などで守られる目的のものであるかどうかも大きな争点になる。
つまり、1999年10月の不正競争防止法の改正によって違法行為の対象となる
プロテクト
とは即ち、知的財産権等法律で守られる財産権を守るためのプロテクトを解除することであって、いわゆる任天堂が契約的にソフト供給を許可する民事契約的な
ライセンシー
以外を排除する目的の
プロテクト
を解除する行為は不正競争防止法違反の対象とはなっていない。
2009年2月27日、東京地裁からマジコン販売業者に対して、マジコンの輸入販売禁止と在庫廃棄を命じる判決を言い渡したことが明らかになった。判決は、任天堂などのゲームソフトメーカーの主張を全面的に認めたもので、任天堂は「マジコンに対して、今後も継続して断固たる法的措置を講じる所存です。」とのコメントをした。これで日本国内での発売が禁止がほぼ確定となった。
また、楽天は上記訴訟が提起された段階で楽天オークションへのマジコンの出品を禁止したが、東京地裁判決を受けてYahoo! JAPANもYahoo!オークションへのマジコンの出品を禁止した。
ゲーム機毎の特徴
ゲームボーイアドバンス
GBAのROMカートリッジは任天堂が意匠権を取得しているため、カートリッジと同様の形状をしたマジコンはそのほとんどが部分意匠に抵触するとされ、販売できなくなった。よって現在は意匠権に抵触しないマジコンが発売されている。
なお、部分意匠の嵌合形状(即ち規格に該当)そのものは意匠権の対象とはなっておらず、意匠法が守る対象ではないとされる。
ニンテンドーDS
従来のGBAカートリッジ型マジコンからDSソフトを起動するには、別売のDSカード型の起動カードやDSのファームウェアを特殊な方法で入れ替えることが必要だった。当然ながらファームウェアの改造は任天堂の保証外になり、修理などのサポートが受けられなくなる。このようにマジコンを使うにあたっては、複雑な準備が要求されたが、現在はDSカード型の筐体にカードリーダーあるいはフラッシュメモリーを内蔵したマジコンの出現により、特に改造も必要なく、普通のゲームソフトと同じように起動が可能となっている。
多くの製品はminiSDやmicroSDに対応しており、プレーヤーやエミュレータをパソコンからインストールしてDSで動画や音楽の視聴をしたり、ファミコンなどのゲームをプレイしたりできるようになる。また、製品によっては「吸出し機能」がついていて、ゲームデータやセーブデータをバックアップすることができる。なお、バックアップしたゲームデータをインターネット等で「配布」する行為は違法である。
この「吸出し機能」により、ゲームの不正コピーが横行している。しかし、ソフトウェア側での対策も進められており、ドラゴンクエストVや大合奏!バンドブラザーズDXなど数々の作品で対策が取られている。これらのソフトをマジコンから起動しようとするとゲームが起動しない、ゲーム中フリーズする、ゲームが進行不可能になる、メモリーカードが破損するなどの現象が起きる。しかし、これらの対策を施しても、発売後わずか6時間足らず破られた。このように対策を講じても、ファームウェアを更新してそれらのゲームを起動できるようにしている場合もある。
さらに、検索で簡単に見つかる掲示板などでチートやパッチ、バイナリエディタなどが配布されており、誰でもプログラムの改竄、通常プレイが可能な状況になってしまっている。また、最近発売されたソフトのパッケージには正常に動作しない可能性があるという警告文が書かれ、この事がマジコンや不法に広まっているソフトの存在を暗に示している。
2008年7月29日、任天堂とソフトメーカー54社は、マジコンを輸入・販売する業者5社に対し輸入販売の差止めを求めて東京地裁に提訴し、2009年2月27日、東京地裁は輸入・販売の差止めと、機器の廃棄を命じた。提訴後、マジコン販売業者が次々と閉鎖していった。また、同年11月1日発売のニンテンドーDSiには、マジコン対策が施されたが、2009年1月時点で、既にニンテンドーDSiにて動作可能な新型のマジコンが複数ある。
これらの違法データによる被害は、2008年8月に発表されたコンピュータソフトウエア著作権協会の調査結果によれば、Winnyにより流出したDSソフトは、185万7988本、2008年12月までに海外サイトでダウンロードされた違法データの数は、約1億1200万、任天堂の被害額は、約3000億円である。
種類
- M3DS Real
- M3さくら (日本製のマジコン)
- M3DS Simply (R4DSのOEM)
- n5
- DSTT
- DSTTi(DSi対応)
- iTouchDS
- SUPER CARD
- AcecardR.P.G
- Acecard2i(DSi対応)
- EZFlash V
- EZFlash Vi (DSi対応)
- DSVision (ニンテンドーDS公式のもの)
- R4 Revolution for DS (R4DS)
- R4 SDHC
- R4TT
- R4i(DSi対応)
- X9
簡易的なPDA機能を備えたものもある。なお、M3さくらはマルチメディアプレイヤーとして販売されており、公式のファームウェアでゲームのバックアップを起動することはできない。DSVisionの宣伝ポスター等には「これはマジコン等改造ツールではない」という文章が記載されている。
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